13区分に細分化され
「据え置き」と「引き上げ」が混在

 現在5つある所得区分のうち、「オ」の住民税非課税を除いて、「ア」~「エ」をそれぞれ3分割し、合計13区分に細分化する。この時の自己負担限度額の見直しは、据え置きと引き上げが混在する。3分割された所得区分のうち、いちばん所得の低い区分は限度額が据え置かれるが、所得の高い方の2つは限度額が引き上げられる。

 例えば、現在「ウ」(年収約370万~約770万円)の所得区分の人の場合、「7」(年収約650万~約770万円)、「8」(年収約510万~約650万円)、「9」(年収約370万~約510万円)の3つに分類される。この中で、「9」は自己負担限度額が据え置かれるが、「7」「8」は所得に応じた引き上げが行われる。

 では、実際にはどのくらい負担が変わるのか。年収700万円の人で、医療費が100万円かかった場合の自己負担限度額の変化を見てみよう。

 1カ月の医療費が100万円だった場合の自己負担限度額の推移を、下図にまとめた。

 年収700万円の場合、現在の所得区分は「ウ」なので、自己負担限度額は8万100円+1%。医療費が100万円かかった場合の自己負担額は、【8万100円+(医療費100万円-26万7000円)×1%=8万7430円】だ。

 だが、26年8月以降は、自己負担限度額が8万5800円+1%に引き上げられる。医療費100万円の場合は、【8万5800円+(医療費100万円-28万6000円)×1%=9万2940円】。現在よりも自己負担限度額は5510円増加する。

 27年8月になると、年収700万円の人は、所得区分が「ウ」から「7」に変更され、自己負担限度額は11万400円+1%に引き上げられる。医療費が100万円の場合は【11万400円+(医療費100万円-36万8000円)×1%=11万6720円】。現在と比べると、2万9290円の負担増になる。

 今回の高額療養費の自己負担限度額の引き上げ額は、25年度予算案と比べると半額程度に抑えられている。だが、住民税非課税世帯を含めた全ての所得区分で引き上げられており、負担増は免れない。