自分の仮説を持って成果物を作ったら、上司に「この観点でまとめてみたんですけど、どうですか」と自分からフィードバックを求めます。これはフィードバック要請行動といいます。
多くの二流や三流の人は、「終わりました」と提出して「ありがとう」と上司に言われて終わりです。
しかし、一流の人は「このように作ってみましたが、どうですか」「私の工夫、いかがでしたか」「改善点があれば教えてください」「どの観点で見られているか、勉強まで教えてもらえませんか」と聞きます。
つまり、上司の反応をゲームのスコアのように、捉えるのです。フィードバック要請行動は、理論としても組織適応やスキル向上につながることがわかっています※。フィードバックを得ることで仕事に手応えが出てくるので、結果としてモチベーションも上がりやすくなります。
以上のゲーム化は、いずれも心理的にイニシアティブを取ることであるとも言えるでしょう。「いいから黙ってやれ」と言われたとしても、やらされるのではなく、仮説と意味付けで仕事を自分のゲームにしてしまう。つまり、心理的には自分が主導権を握っているのです。
ゲーム化に欠かせない要素として、ルールづくりが挙げられます。ルールの中で勝ち負けがはっきりするような条件を自分で設定するのです。簡単すぎてもつまらないですし、難しすぎては挫折してしまいます。難易度の塩梅(あんばい)も重要です。
そうすることで、他人からは作業をこなしているようにしか見えないけれど、本人の頭の中では勝ち負けを競っているので、わくわくするし、興奮します。みんなと同じ単純作業をやっているのに、一人だけニヤニヤしている人がいる、そんなイメージです。それこそがイニシアティブを取っている証拠です。
与えられたもの、降ってきたものをただただこなし、処理するのではなく、ゲーム化していくとはそういうことです。与えられたものを一度自分の土俵に持ち込んで、自分なりのフレームで捉え直して楽しめる――そういう人が一流なのです。
このような意識の転換ができたら、仕事はがぜん楽しくなります。「いいから黙ってやれ」と言われたときこそチャンスです。アサーティブに交渉し、仕事をゲーム化して楽しむ。その切り替えは、あなたのキャリアを大きく左右することになるでしょう。
※Ashford, S. J., & Cummings, L. L. (1983). Feedback as an individual resource: Personal strategies of creating information. Organizational Behavior and Human Performance, 32(3), 370–398. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0030507383901563







