全米の学校や図書館で絶賛された話題のマンガが、ついに日本に上陸! 新刊『13歳からのメンタルヘルスの教科書』(カーラ・ビーン 著、精神科医さわ 監訳、御立英史 訳)は、複雑な脳と心の仕組みをユーモアたっぷりのイラストで解説し、世界一わかりやすく「『こころ』の守りかた」を教えてくれる一冊です。今回、本書の監訳を務め、著書『子どもが本当に思っていること』の精神科医さわさんに特別インタビューを実施。学校に行きたくない子どもとの関わりかたについて答えていただきました。(構成/ダイヤモンド社 森遥香)

不登校Photo: Adobe Stock

「学校に行きたくない」はダメなこと?

突然ですが、みなさんは「学校に行きたくない」と思ったことはありますか?

「学校に行きたくない」と思う自分を、「なんて怠け者なんだろう」「みんなは行ってるのに、自分はダメだ」と責めていませんか?

今日は、そんなふうに自分を追い詰めてしまっている人へ、精神科医として伝えたいことがあります。

「行きたくない」は正常な反応

正直に言うと、私も月曜日の朝は「あ~、仕事行きたくないなぁ」と思ってしまいます。人間だもの、ストレスがかかる場所に行くのが嫌なのは当たり前です。

だから、「行きたくない」と感じること自体は、脳や心が正常に働いている証拠であって、決して心が弱いからではありません。

もし、行きたくないと思いながらも頑張って行ったなら、それはすごいことです。「当たり前」なんかじゃありません。「よく頑張ったね」と、自分で自分を褒めてあげてください。でも、もし本当に行きたくて辛いなら、心が壊れるまで無理をする必要はありません。

相談するなら「3人の大人」に

学校が辛い時、勇気を出して大人に相談しても、うまく伝わらなかったり、「休むなんて甘えてる」と言われたりして傷つくことがあるかもしれません。でも、そこで「大人は敵だ」と諦めないでほしいのです。

大人も完璧ではありません。子どもの悩みを一度で理解できないこともあります。だから、精神科医として提案したいのは「最低3人の大人に相談する」というルールです。

親、先生、スクールカウンセラー、保健室の先生、あるいは親戚のおじさんおばさん……。

1人に相談して解決しなくても、諦めずにセカンドオピニオン、サードオピニオンを探してください。3人に話せば、確率的に誰か1人くらいは、君の気持ちを分かってくれる「相性のいい大人」がいるはずです。

焦るのは意欲の裏返し

不登校になったり休んだりしていると、「このままでいいのかな?」と焦ることもあるでしょう。その焦りは、「成長したい」「ちゃんとなりたい」という君の意欲の裏返しです。素晴らしいことです。

でも、人間はずっと右肩上がりで成長し続けることはできません。心が風邪を引いている時は、成長を止めて休むことが何よりの「治療」であり「前進」なんです。

もし、君の大切な親友がボロボロになって「もう頑張れない」と泣いていたら、「甘えるな、もっと成長しろ!」なんて言いませんよね?

きっと「少し休みなよ」と優しく声をかけるはずです。その優しさを、どうか自分自身に向けてあげてください。

「成長しなきゃ」というのは、大人が勝手に作ったプレッシャーかもしれません。立ち止まっていいのです。

(本記事は『13歳からのメンタルヘルスの教科書』のインタビュー記事です)