『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、面接官や社員に「うちの会社、本当にいい人ばかりなんです」と言われた時に考えたいことについて著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

面接Photo: Adobe Stock

「人が本当にいいんです」は信じていい?

会社説明会や社員面談で、「人が本当にいいんです」という言葉を聞くと、安心感を覚える方は多いと思います。確かに、人間関係がギスギスしていない職場は魅力的です。

ただし、「衝突がない」ことと「働きやすい」ことは同義ではありません。意見の違いが表に出ない環境は、一見すると平和ですが、その裏で本音が共有されていない可能性もあります。

仕事では、優先順位や進め方をめぐって意見が割れる場面が必ず出てきます。そこで健全な衝突が起きない場合、決定が曖昧になったり、誰も責任を取らない状態が生まれやすくなります。

「人がいい」という言葉の中に、議論や対立を避ける空気が含まれていないかは、注意して見ておく必要があります。

「雰囲気がいい」で流されている

人がいい会社ほど、「細かい評価は気にしない」「みんなで助け合う」という文化を大切にしていることがあります。これは一方で、評価基準や役割分担が曖昧になりやすい構造でもあります。

頑張った人とそうでない人の差がつきにくい環境では、短期的には居心地が良く感じられます。しかし長期的には、「何を期待されているのか分からない」「どこを伸ばせば評価されるのか見えない」といった不安につながります。

雰囲気がいいからこそ、疑問を口にしづらくなり、モヤモヤを抱えたまま働くケースも少なくありません。働きやすさは、感情的な安心感だけでない構造的な分かりやすさも重要です。

成長や改善の話が出にくい環境になっている

人がいい会社では、相手を否定しないことが美徳として強く根付いている場合があります。その結果、改善点や課題について踏み込んだ話が出にくくなることがあります。

フィードバックが控えめになり、「とりあえず今のままでいい」という空気が続くと、個人も組織も成長しにくくなります。本人のためを思って言うべき指摘が、言われないまま時間だけが過ぎてしまうのです。

働きやすさとは、優しい言葉だけで成り立つものではありません。必要なときに、きちんと改善の話ができる関係性があるかどうかが、後々の満足度を大きく左右します。

「人がいい」という評価を聞いたときは、その裏側にある仕事の進め方や意思決定の仕組みまで、一度立ち止まって考えてみてください。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです