元々は、たくさんの人に知ってもらいたい気持ちや、届けたい想いがあって描きはじめたものなのに。いつの間にか、「編集者に“いいね”って言ってもらうためには何を描いたらいいか」「指摘されないためには」「期待に応えたい」ってことばっかりを考えて、ぼくのアイデアや想いはそっちのけで描いていたんです。

 それをずっと見透かされていたんだと思います。

 最初から「編集者に“いいね”をもらうために描いてしまってるから、自分の描きたいことも忘れずにね」ってやさしく言ってくれたらよかったのに。それなら3ヵ月近くやり直しを繰り返すことも、漫画家やめたいと思うまで悩まなかったかもしれないのに。最初はそう思ってました。意地悪だなって。

 でも今は、中山さんの力を借りながらも、自分で考えて、気づけたことに意味があったんだと思っています。自分の思い込みが自分自身を迷わせていたとわかったので。

「で、オチは?」崖っぷちマンガ家が「関西人の呪い」から解放された公認心理師のひと言同書より転載
「で、オチは?」崖っぷちマンガ家が「関西人の呪い」から解放された公認心理師のひと言同書より転載

作家に勇気と気づきを与えた
編集者のアドバイス

 ある時、中山さんと話している中で

「吉本さんってどんな話にもオチをつけようとしますよね」

 って言われたことがありました。

 ぼくは漫画を描き始めてから、ずっと自分の日常の中で起きたことを、できるだけ面白おかしく、自虐的に描こうと決めていました。