
再び、貧乏生活がはじまる?
「ところでヘブンさん高等中学校がなくなるいう話は本当ですか?」
ぶはっ。
思わず、コーヒー?(紅茶?)を吹き出すヘブン。漫画みたいだ。
正木あるいは丈がさっそくトキにしゃべったのか? とまたしても犯人探しになりかかるも、今朝の新聞に「高等中学校廃止の危機」という記事が載っていた。それにトキが気付いたのだ。
その記事には高等中学校を東京と大阪の2カ所にすべきという意見があると書かれている。それは松江でも大騒ぎであろう。
「本当なの?」とフミ(池脇千鶴)も不安そう。
「まだ決まったわけじゃない」と聞いても、
「本当に決まったらどげしましょう」とトキもそわそわ。
「まずは金じゃろうな」と司之介はお金の心配をする。
今度こそ本当にひりひりした気持ちを味わえるかもしれないわけだが、彼は内心わくわくしているのであろうか。
「もしそげなことになったらまた働きますけん」
「私も内職しようかね」
トキもフミも思いの外あっさりしている。
この場で最も深刻なのはクマ(夏目透羽)だ。
「あの私は 私はどぎゃんなるとでしょうか」
お金が入ってこなければ、女中を雇う余裕がなくなるのは明白。
「さらばですよね」
そう聞かれ、みんなは押し黙ってしまう。
クマはものすごーく悲しい顔になる。
「なんで『そぎゃんことなか』と言うてくれんとですか?」
急で困るのはわかるが、雇われの身として随分とわきまえのないクマに、松野家はやさしい。
「譲り合っただけじゃ」
「譲り合っちゃったのよ」
司之介とフミはクマをなだめる。
「心配いらんずーっと一緒だけん」とトキも。
「Yes,大丈夫、おクマ。みなさんも大丈夫。私考える あります。心配ない」とヘブン。
不況になったら底辺の労働者が真っ先にクビを切られるもの。それが一般常識だが、こんなふうになにがなんでも使用人を守ろうとしてくれる雇用者ばかりであったらどんなにいいか。まあ、クマが真面目でいい子だからだとは思うけれど。真面目でいい子でも不幸になるのが現実である。







