
英語の話せる日本人妻登場
イライザ(シャーロット・ケイト・フォックス)だった。
手紙には『日本滞在記』にまた重版がかかっていること、そんなヘブンに講演や仕事の依頼がたくさん届いていることが記されている。
「アメリカに帰ってくるつもりはない? 今帰ってくれば売れっ子作家になれるわよ」
重版がかかって大人気であることを司之介たちにヘブンが話すと、「そりゃすごい」「さすがね」と盛り上がる。だが傍らでトキはどこか浮かない顔。このひとはイライザの存在をいつも気にしているようだ。やっぱり引け目があるのかもしれない。
いや、でも、トキには才能があった。
その晩、昼間にまとめた事件の顛末(てんまつ)をヘブンに語るトキ。
「警察官の涙いうものを初めて見ました。
あの警察官にも護送されてきた犯人にもお子さんがおったのかもしれないなと」
「すばらしい考え ありがとう。いい話 書けそうです」とヘブンはトキの考えの入った語りに満足そうだ。
「きっとイライザさんもお喜びになりますね。新しい本が出るのをお待ちなのでは?」
字面ではごくふつうの言葉だが、なぜか微妙な嫉妬が入ったような湿ったセリフに聞こえてしまう。トキはドラマの序盤から他者を妬み呪うとかいうややブラックなキャラだったので、どんなに満たされても、本質的には変わっていないに違いないと思ってしまうからか。まあそこまでのことでもなく、単に夫と親しい女性の存在は少なからず気になるものだ。
「私がんばりますけん。リテラリーアシスタント」と言うトキにヘブンは英語をまた勉強しませんかと持ちかける。
そして、トキが英語の勉強をしやすくなる絶好の流れがやって来る。







