面接で見抜けなければ
会食の席で観察する
面接で「仕事はできるけど嫌なヤツ」を見抜くことが難しいのは、そもそも限られた時間でその候補者の性格や傾向まで把握するのが困難だからです。
一定以上のポジションの候補者を前提にすると、そこで有効な方法は「会食に行く」。一緒に食事をしたりお酒を飲んだりしながら会話することです。
面接では多くの場合、嫌なヤツであってもその部分は極力隠そうとするし、優秀な人であれば短時間の質疑応答はうまくこなしてしまいます。そこで面接だけに頼らず、別のシチュエーションを作って観察するわけです。
主に質疑応答に終始する面接はいわばシングルタスクで、質問に答えることに集中できます。しかし会食の席ではお店の人への対応や注文の仕方、飲食のペース配分、同席者への気遣いなど、いくつものタスクが発生します。
ありていに言えば「ボロが出やすい」マルチタスクが必要な会食という状況で、おかしな点がないか見ていくわけです。
とくに注目すべきポイントは、自分に対する振る舞いではなく、店員や同席した社員に対する態度です。採用について権限のある経営者や人事担当者には丁寧に接していても、店員や社員への態度がぞんざいだと「周囲をすり減らす人」のシグナルとなり得ます。
当社のクライアントで候補者と会食の席を設ける会社は、過去に「優秀だけど周囲をすり減らす人」を採用して社内をかき回されるような、ハードシングスを体験したところが多いです。ということは、会食を通じた人物評価は有効だと皆さん感じているのでしょう。
この人、何か引っ掛かる…
直感を大事にすべき理由
もう一つ大事にすべきは、採否を決定する立場の人間が、その候補者と「一緒に飲みに行ってもいい」と思えるかどうか。
「この人、少し生意気なところはあるが面白いな。もう少し話をしてみたいな」と感じたら、それを大事にする。要するに自分の直感をフルに働かせて、信じてみようということです。
逆に実績は十分だが面接でのやり取りで「この人、応対はていねいだけど何か引っかかるところがあるな……」と感じたら、かなり慎重になったほうがいい。
どうしても候補者の前職での実績があると、「人物的に問題がありそうだが、この人を採用すれば一気に懸案が解決しそうだ」とか「不安はあるけど、これだけ実績を出している人なら大丈夫だろう」と欲が出て、経営者は採用の方向に傾くことが多いですが、それが間違いの元になるわけです。
嫌なヤツかどうかを含め、自社にカルチャーフィットするかどうかの見極めは非常に重要です。目先の欲で判断した結果、ハードシングスに直面することはある程度の年数を経たスタートアップ経営者ならほとんど経験があると思います。







