「嫌なヤツ」の排除は
やりすぎ注意

「嫌なヤツ」を見抜くにはご飯と直感が大事、というわけですが、注意点もあります。それは「嫌なヤツ」の排除にフォーカスし過ぎると一見、嫌なヤツに見えるが実はちょっと尖っているだけの有望な人材を排除してしまう危険性があることです。

 以前、当社に面接に来た、実績は申し分のないユニークな人材がいて、社長である私は絶対に欲しいと思いましたが、当時のマネージャーは全員が採用に反対しました。反対理由は「うちの社風に合わない」。尖ったところがあって話す言葉の中に辛辣さがあり、相手に生意気な印象を与えるところがあったからです。

 一方、私が欲しいと思ったのは、「生意気かもしれないがこの人、面白いな。可愛げがあるな」と感じたからです。言葉が辛辣と言っても自分の思いが強いが故にそうなるタイプで、決して根が悪い奴ではない、と。そう思ったのは、会話の中から素直さや業務への真摯さが感じ取れたからです。

 結局、当社では不合格とし、本人も「御社とは合わなそうです」と言っていました。そしてこの候補者がどうなったかというと、転職せずに独立起業し、現在は経営を軌道に乗せて従業員15人ほどの会社の社長になっています。

 私にシンパシーを感じてくれたのか、その後もたまに連絡があり、「こんな人を採用しようと考えているが、どう思いますか?」などと相談を持ち掛けられたりします。

 私の立場からみると、やはり最初に感じた通り「面白くて可愛げのある」人で、欠点もいっぱいあるけれど、もし採用していたら当社でも活躍してくれたのではないかと思います。