【放置厳禁】サブスク請求は止まらない?家族が亡くなったらまずやるべきこと
大切な人を亡くした後、残された家族には、膨大な量の手続が待っています。しかも「いつかやろう」と放置すると、過料(行政罰)が生じるケースもあり、要注意です。本連載の著者は、相続専門税理士の橘慶太氏。相続の相談実績は5000人を超え、現場を知り尽くしたプロフェッショナルです。このたび、最新の法改正に合わせた『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』が刊行されます。本書から一部を抜粋し、ご紹介します。

【放置厳禁】サブスク請求は止まらない?家族が亡くなったらまずやるべきことPhoto: Adobe Stock

「サブスクの罠」に注意! 家族が亡くなった後の請求のリアル

 本日は「身近な人が亡くなったときの注意点」についてお話しします。年末年始、相続について家族で話し合った方も多いかと思います。ぜひ参考にしてください。

「父が亡くなりました。スマホには家族の写真や電子マネーがたくさん残っていると思うのですが、パスコードがわからなくて……」

 近年、こうしたご相談が急増しています。スマートフォンが生活の中心にある時代。電話帳、写真、日記、金融資産、そしてサブスクの登録まで。スマホが開けないことで、さまざまな手続に支障をきたすケースが後を絶ちません。

ロック解除を依頼できる業者は?

 スマホのロック解除を請け負う専門業者も存在しますが、確実に開けられるとは限りません。成功報酬で20万~50万円、作業期間は半年~1年に及ぶこともあります。また、スマホメーカーやキャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)では、セキュリティ上の理由から原則としてロック解除には応じていません。

 過去には、アメリカの捜査機関FBIが事件の捜査でスマホのロック解除依頼を試みましたが、メーカーはユーザーのプライバシー保護を理由に協力を拒否。それほどまでに、現代のスマホのセキュリティは強固なのです。

今、相続に直面しているあなたへ

 スマホロックは、パスコードが不明な場合、基本的に解除は困難です。業者に依頼する方法もありますが、費用も時間もかかります。ただし、「家族写真などの思い出を取り戻したい」といった目的であれば、時間的な余裕もあるため、選択肢の一つとして検討する価値はあります。

 一方で、ネット銀行や証券口座といった相続に直結する財産の把握や、月額課金サービスの対応など、緊急性の高い情報については、スマホ以外からのアプローチが必要です。

 例えば、「相続時預貯金口座照会制度」や「証券保管振替機構への照会」を使えば、スマホが開かなくても、一定の情報を取得することが可能です。

サブスクは退会手続が必須

 サブスクサービスや月額課金については、利用料金が決済されていたクレジットカードや銀行口座が解約・凍結されれば自動的に休会扱いとなり、課金は停止されます。ただし、亡くなったことだけでは退会とはならず、相続人による退会手続が必要になるのが一般的です。

 その際、未払い分の料金が請求されるケースもあります。よほどの事情がない限り、サブスクが永遠に引き落とされ続けることはありません。焦らず、まずは他の優先順位の高い手続から着実に対応していきましょう。

(本原稿は『ぶっちゃけ相続「手続大全」【増補改訂版】』の一部抜粋・加筆を行ったものです)