暴落時に慌てないために
「現金」を確保しておく

 二つ目の対策は、収支管理、特に「現金の確保」です。

「インフレ時代に現金を持つのは損だ」という意見もありますが、出口戦略においては現金こそが暴落時の命綱になります。

 具体的には、生活費の1〜3年分を現金で持っておくことを推奨します。さらに数年以内に発生するライフイベント、例えば車の買い替え、家の修繕、子どもの学費などの費用も、投資には回さず現金で確保してください。

 ここでよくある間違いが、「2年後に300万円の車を買う予定があるが、投資に回して350万円に増やしてから買おう」という考え方です。これは非常に危険で、そもそも車を買うタイミングで株価が上がっている保証はどこにもありません。

 むしろ暴落していた場合、泣く泣く資産を売却することになり、目減りした資産で支払うことになります。

 ですが、現金を持っていれば、株価が暴落している間は資産を取り崩さず、手元の現金を使って生活することで相場が回復するのを待つことができます。

 具体例を挙げると、もし70歳時点でS&P500が暴落していたとしても、手元に600万円の現金があれば、「今は株を売らずに現金を生活費に充てよう」と冷静に判断できます。

 要は、むやみに焦る必要がなくなるのです。これができるかどうかが、老後破綻の分かれ道といえるでしょう。

利回りアップより確実
「固定費見直し」という名の投資

 三つ目の対策として、投資のテクニック以上に効果的な方法をお伝えします。それは、「生活費そのものを下げる工夫」です。

「なんだ、節約か」と思われたかもしれません。しかし、投資のリターンを上げるよりも、支出を減らす方が圧倒的に簡単で、かつ確実性が高いのです。

 具体的には、生命保険、スマホ・通信費、サブスクといった固定費の見直しです。

 例えば、これらを見直して月1万7000円ほど削減できたとしましょう。年間で約20万円のコストカットです。

 では、これを投資で賄おうとするとどうなるか。