一般的な富裕層の車選びは
「消費」を前提としている
ひとくちに富裕層といっても、金融資産1億円~5億円未満の「一般的な富裕層」の方々と、5億円以上の「超富裕層」とでは、車に対する考え方は異なると感じています。
一般的な富裕層にとって、愛車はこれまでの努力や成功を可視化する存在です。
フェラーリ、ランボルギーニ、ロールス・ロイス、メルセデス・ベンツの最上位モデルなど、誰が見ても高級だとわかる車が選ばれる傾向にあります。
この選択は決して否定されるものではありません。快適性、安全性、ブランドが持つ信頼性という点では合理的ですし、人生の節目として高級車を購入することは大きな満足感をもたらします。
しかし、執事として長年現場を見てきた立場から申し上げると、これらの車はほとんどの場合、「消費」として扱われています。新車で購入した瞬間から市場価値は下落し、3年、5年と経過するごとにリセールバリューは目に見えて落ちていきます。結果として、所有期間中に確実に資産は目減りします。
この「減ることを前提に使う」という構造は、一般的な富裕層と超富裕層を分ける、非常に大きな分岐点になっています。
超富裕層の車選びは
「消費」ではなく「投資」である
一方で、金融資産5億円以上の超富裕層といわれる方々の車に対する捉え方は、根本から違います。超富裕層の車選びは、消費ではなく投資なのです。
彼らは、車を移動手段や嗜好品としてだけでなく、株式、不動産、アート、ワインと同列の「資産クラスの一つ」として扱います。そのため、購入時の会話の内容も、一般的なディーラーで交わされるものとは大きく異なります。
私がお仕えしたある超富裕層の経営者は、車の購入を検討する場で、こうおっしゃいました。
「この車は何台作られていて、過去に似たモデルはどんな価格推移をしている?」
性能や内装の話は、その後でした。ここに、超富裕層の思考の本質があります。







