購入価格よりも、出口戦略。つまり、将来いくらで売却できるか、どの市場で流動性があるかを最初に考える。この思考を徹底しているからこそ、超富裕層はお金を使いながら、結果的に資産を減らさず、むしろ増やし続けることができるのです。
こうした思考のもとで、超富裕層が選ぶ車は自然と限定されてきます。
生産台数が極端に少ない限定生産車、生産終了モデル、そしてクラシックカーです。これらは時間の経過とともに希少性が高まり、市場価値が上昇する可能性を持っています。
例えば、フェラーリLaFerrariは、クーペが世界限定499台という極めて希少なモデルです。新車価格は約1億4000万円でしたが、現在では4億円から6億円前後で取引されています。
ポルシェ911 Rも同様です。世界限定991台で生産され、新車価格は約3000万円でしたが、現在では6000万円から8000万円で安定的に取引されています。オークション結果を見ると、供給の少なさと世界的なコレクター需要が価格を支えていることがわかります。
さらに、フェラーリ250 GTOのようなクラシックカーになると、その価値は完全に「資産」の領域に入ります。50億円を超える価格での取引事例も報告されており、これは車というよりも金融資産、あるいは文化的資産と呼ぶべき存在です。
超富裕層が「地味なセダン」に
乗っていた深いワケ
執事として非常に印象的なのは、超富裕層の方々ほど派手な車を選ばれないという点です。あるお客様は、一見すると街中に溶け込むような落ち着いたセダンにお乗りでした。しかし実際には、その車は世界で数十台しか存在しない限定仕様で、内装や仕様は完全にオーダーメイドでした。
その方は、こうおっしゃいました。
「目立つと、説明しなければならないことが増える。それはコストだ」
この言葉は、超富裕層の思考を非常に端的に表しています。目立たないことは美徳ではなく、合理的なリスク管理なのです。
この姿勢は、車選びだけでなく、投資、事業運営、人間関係の築き方にまで一貫しています。
愛車選びに表れる
「超富裕層がさらに資産を増やし続ける理由」
一般的な富裕層と超富裕層の違いは、収入額や事業規模ではありません。お金を使う場面で、それを消費として終わらせるのか、資産として考えられるのか――。この思考の差が、長期的に見ると決定的な資産差となって表れます。
超富裕層が超富裕層であり続ける理由は、こうした日常の選択の積み重ねにある。執事として日々お仕えする中で、私はそう確信しています。愛車は、その思考を最もわかりやすく、かつ象徴的に映し出す存在なのです。
金融資産5億円を超えた世界では、車は単なる贅沢品ではありません。資産を守り、次の世代へと価値をつないでいくための、極めて戦略的な存在なのです。







