なぜ、このような母親のポジション変化が起こったのでしょうか。これは、母親がかつての「家を支えてくれる存在」から「尊敬に値する存在」へと変化してきたことが影響しているようです。

 かつては、母親は大学受験や資格受験を経験していなかったり、就労経験が少なかったりと、父親に比べて社会から遠く、ロールモデルや人生のアドバイザーとしての役割を担いづらい側面もありました。

 しかし現在では、女性が男性と同じように学歴社会を歩み、社会のなかで実績を積んでいるケースも増えています。「母親が子どもの勉学やキャリアに関わるようになった」というより、「関わることができるようになった」といえるでしょう。

労働経験が豊富な
「できるママ」が増加

 特にZ世代は、共働き家庭が増えるなかで「働く母の背中」を見て育ってきた世代でもあります。「末子が15~17歳の母親」の就業状況を見ると、2002年時点ではフルタイムで働く母親は23.8%でしたが、2019年では約5ポイント増加。4人に1人以上がフルタイム勤務となっています。パートタイム勤務の母親も、以前は3人に1人ほどだったのが45.5%にまで上昇。

 そしていわゆる専業主婦、区分すると「非就業」の母親の割合は2002年には約3分の1を占めていたのが、2019年では2割を下回る水準にまで減少しています。母親がさまざまな経験をしているからこそ、具体的かつ説得力のあるアドバイスができる。子どもから見ても、知識もスキルも持ち合わせている、頼れる「できるママ」が増えているのでしょう。

図表・末子15~17歳世帯の母親の就業比率 出店:総務省統計局「労働力調査」同書より転載 拡大画像表示

 言うまでもありませんが、以前の母親が尊敬に値しなかったというわけではありませんし、子育てに専念する姿も尊いものです。しかし、自分の進む道やキャリアと重ね合わせやすい存在として、あるいは先を歩んでくれる存在として、今、母親がロールモデルや人生のアドバイザーとしての存在感を発揮しやすくなっているのではないでしょうか。