1992年~2022年の30年間、聴取を続けている項目のうち、「年代による違いが小さくなっている」項目と「年代による違いが大きくなっている」項目がそれぞれ何項目あるのか比較してみました。

 すると、違いが小さくなった項目は70あるのに対し、違いが大きくなった項目は7つしかなかったのです。2002年~2022年の20年間の継続聴取に条件を緩めると対象となる項目が増えますが、そのなかで年代の違いが小さくなった項目数は172項目にものぼっています。一方、違いが大きくなった項目は27項目に留まり、その差は歴然です。

 具体例を挙げると、「夫婦はどんなことがあっても離婚しない方がいいと思う」「携帯電話やスマホは私の生活になくてはならないものだ」「将来に備えるより現在をエンジョイするタイプだ」などの設問において、かつてあった世代ごとの隔たりが急速に小さくなってきているのです。

「話の分かる」親に
反抗する理由がない

 ちなみに変化の傾向としては、次の3つに分類できます。

(1)各年代の回答率が減少しながら近づくもの(例:「夫婦はどんなことがあっても離婚しない方がいいと思う」「自分たちが年をとったら、子どもと同居したい」など)

(2)各年代の回答率が上昇しながら近づくもの(例:「携帯電話やスマホは私の生活になくてはならないものだ」「女性の上司のもとで働くことに抵抗はない」など)

(3)各年代の回答率が中央に寄っていくもの(例:「将来に備えるより現在をエンジョイするタイプだ」「キャリアアップのためには、会社を替わってもかまわない」など)

 いずれにしても各世代の意識差はどんどん狭くなっており、これは、親子間における価値観やライフスタイルの違いが減ってきていることを意味しています。

「大人が選ぶものは古くてダサい」「若者のカルチャーに入ってきてくれるな」といったかつての若者が抱いていたような感覚は薄れ、考え方の差異による衝突や「分かり合えない感じ」がどんどん少なくなっているのです。