つまり、反抗期を経験する若者が減少したり、あるにしても軽度になったりした背景には、親が反抗すべき存在ではなくなり、価値観のそんなに変わらない「若者にとって話の分かる」存在になってきた、という事実があるのです。

カルチャーに理解のある
JJ・ポパイ世代の親たち

 では、「親と子でカルチャーが分断されている世代」と「分断されなくなった世代」の分岐点はどこにあるのでしょうか。「生活定点」のデータをより深く分析してみると、「JJ・ポパイ世代」といわれる1952~1960年生まれの人たち以降の世代で、旧来の価値観からの変容が起こっていることが分かりました。この世代は2025年時点で65~73歳に位置します。

 JJ・ポパイ世代は、名前の通り雑誌文化の中で育ち、欧米的で自由な生活スタイルを取り入れた最初の世代です。それまでの日本社会的な全体主義・集団主義ではなく、個人主義的な性格が色濃くなっていく社会変化の影響をダイレクトに受けています。

 大きくいえば、日本人はこのJJ・ポパイ世代を起点として、みんなで新しい時代の「同じ物語」を共有しているのです。

 さらに、団塊ジュニア(1971~74年生まれ)などZ世代の親にあたる世代はいわゆる「ファミコン戦士」でもあります。ファミリーコンピュータ(ファミコン)が登場したのは、団塊ジュニア世代が小学生だった1983年。ここから家庭用ゲーム機の時代が始まったわけですから、まさに「世代」の人たちです。

 このときスタートしたゲームカルチャーはハード面、ソフト面ともに大きな進化を重ねながら、今の若者のライフスタイルにもしっかりと根付いています。

 ほかにも、この世代はポケベルやカラオケ、クラブといったカルチャーにリアルタイムで触れてきましたが、こうしたコミュニケーション手段や娯楽も、形を変えつつ現在の若者に受け継がれています。要は、Z世代とその親世代は趣味やコンテンツの話も非常に合うわけです(年表参照)。

図表・若者のおかれた時代環境同書より転載 拡大画像表示