カロリーゼロ、カロリーオフ飲料が
食生活を乱す“悪循環の車輪”に
クライアントさんではないので何も言えないが、会う度に身体が大きくなっていく知人がいる。ひとりはダイエットコーラを1日2リットル飲み、ひとりは特保のコーラを飲んでいる。イメージとしては、「健康そうな方のコーラ」といったところだろうか。
かつて、私にも太っていた時代があるので、ダイエット飲料、しかも、炭酸タイプを飲む人の気持ちがわかる。カロリーがないし(または、低いし)、お腹にたまるし、太りゆく自分の最後の砦のような、ありがたい存在だった。これこそが、自分のこれ以上の体重増加を食い止めているんだ…そう思っていた。
しかし、残念なことに、クライアントさんを見る限り、カロリーゼロ、カロリーオフのものを常飲している人はカロリーを気にしなくてはいけない身体のままであることがほとんどだ。それは、コーラだけではなく、スポーツドリンクやビールなど他の飲み物にもあてはまる。
あの、後に残る独特の甘み。あの強い味に勝るものはなかなかない。こういった飲み物と合わせるのであれば、そばよりはラーメンが良いし、おにぎりよりはサンドイッチが良いし、刺身よりは揚げ物が良い。少なくとも、ダイエットコーク片手にほうれん草のお浸しを食べて「お浸しってしみじみおいしいよね」なんていう人はいないだろう。食中に一緒に飲んでいないから大丈夫、という人でも、濃い味や脂っこいものを好むようになり、食事が乱れやすい。
また、前述した「お腹にたまる」という一因もあり、定食スタイルの食事よりも、ちょっと小腹がすいたときに口に入れる程度、またはどんぶりや麺類など単品食べが目立つ。食事にあまり興味がない、という人も少なくない。
メタボ街道の最後の砦であるはずの飲み物が、結果として、メタボ誘発剤になっているのだ。使用される人工甘味料についてもいろいろ言われるが、一番怖いのは、食生活が乱れる“悪循環の車輪“となってしまうことのように思う。
だから、水分補給には水かお茶。特に、暑い時期には、熱中症対策のためにも、水分を正しく補給することが必要だ。