しかし、長い説明は子どもの脳にとって「ノイズ」になります。

 特に小学生は、ワンポイントのヒントで「ピン!」とつながることが多い。逆に言えば、ワンポイントのヒントでダメなら、「今はこの問題を教えるタイミングじゃない」と割り切っていいんです。「笑顔で撤退するのも、戦略のうち」。その日は負けたように見えても、焦らずに引くことで、次に「わかる日」がちゃんとやってきます。

「わからないこと」より「わかっていること」に注目

 そしてもう一つ大切なのが、「どこがわからないか」より、「どこまではわかっているか」に目を向けること。

 たとえば、かけ算の筆算でつまずいたとき。多くの親は「どこで間違えたの?」と原因を探そうとしますが、そこを少し変えて「九九まではわかってるね」「上と下を、かけ算するところまでは合ってるね」と、できている部分に注目してみてください。

 そうすると、実は「繰り上がり」のステップだけが苦手だと気づけます。つまり、全部を教え直す必要はなく、「一段階だけ」ワンポイントヒントを出せばいいんです。

 親の役割は、丁寧に解説してくれる先生ではなく、「学びの伴走者」。

 大事なのは「子どものわからない顔を、恐れずに笑って見守る」こと。

 子どもの理解は、教わった瞬間ではなく、「自分の頭で考えた瞬間」に起きるもの。

 今日すぐにできなくても、「あ、これか!」と気づく日は、ちゃんと来ます。

中学受験、する? しない?

 中学受験をするかしないかで迷っている親御さんもたくさんいらっしゃいます。中でも、「うちの子は中学受験には向いていないんじゃないか」というような悩みをよく聞きます。

 私は、はっきりこう答えます。「中学受験に向いていない子」はいません。

 むしろ、「向いていない親」がいるのです。

 中学受験に向いていない親とは、(1)他人と自分を比べやすい、(2)親同士の情報に振り回されやすい、(3)子育てで不安になりやすい、この3つのタイプ。