受験学習法・幼児教育のプロである和田秀樹さんは、幼児教育でもっとも大事な点は、子どもにどう向き合うかという親の意識だと言います。和田さんの著書『5歳の壁 語彙力で手に入れる、一生ものの思考力』(小学館)から子どもへのNGと子どもを勉強好きにする方法を抜粋して紹介します。
「できない」ことより
「できた」ことに注目する
幼児教育でもっとも大事な点は、子どもにどう向き合うかという親の意識です。
教育熱心な親は、子どもが問題を解けなかったり平仮名を書けなかったりすると、カッとして怒ってしまうことがあります。しかし、子どもができないからといって親が感情的に怒ると、後々まで子どもの心理状態に悪い影響を及ぼしますからよくありません。
この時期にもっとも大事なことは、子どもにポジティブな思い込みをつくり、勉強好きにしてしまうことですから、子どもが将来にわたって意欲的になれるかどうかは、この時期からの親の接し方が鍵になってきます。
たとえば平仮名を覚え始めた時に子どもが5つの字しか書けなくても、「5つしか書けないの?」ではなく、「5つも書けたんだ。すごいね!」と言ってあげられるかどうかが大きな分かれ道です。
子どもがやった結果を見て「これしかできていないの?」と子どもの「できない」ことを気にして怒る親と、「こんなにできたんだね」と子どもの「できた」ことに注目して認める親とでは、どちらが子どものやる気が出るでしょうか?
考えてみれば、大人でも外国語を覚える時に「5つしか単語を書けなかったの?」と言われたら情けなくなり、自分には向いていないと思ってしまうかもしれません。