並カルビと並ロースを頼めば
その店の実力が測れる
外観から当たりのお店を見つけたら、いよいよ店内へ。
ここからは、入店してから「この店は本物だ!」と確信できる、名店の見極め方をご紹介します。
店内に入ってからの判断基準の1つは、みなさんにも馴染みのある「並カルビ」と「並ロース」です。じつは、この2つを食べるだけで、店の総合力がある程度わかります。これには、ちゃんとした理由があります。
特上や上のお肉は、A5ランクといった肉質の格付けが価格に直接影響し、希少な部位を使っていることも多いため、お店によって価格が大きくバラつきます。
ところが、「並カルビ」「並ロース」は違います。激安チェーン店を除けば、どのお店も1000円~1500円程度という、比較的似たような価格帯で提供していることがほとんどです。これは、ほかのお店との競争の中で、「このくらいの価格で出すのが一般的だよね」という、お店同士の暗黙の了解があるためでしょう。
この限られた価格帯の中で、お店は肉質だけで勝負することが難しくなります。そこで、お店が力を入れるのが「自慢のタレ」です。タレの味で、お肉をより美味しく引き立たせて昇華させようとします。
お客さんにとって最も馴染み深く、ほかのお店と比較しやすい定番メニューである「並カルビ」「並ロース」は、自慢のタレで美味しく引き立たせなければ、お店の評価に直結するため、この部位には決して手を抜くことができないわけです。
つまり、価格の縛りがある中で、肉質とタレの両方を含めた「総合力」で勝負しているのが「並カルビ」「並ロース」になります。
だから、この「並カルビ」「並ロース」が美味しいお店こそが、本当に「当たり」の焼肉店だと言えるのです。
ホルモンの鮮度は
仕入れ力のバロメータ
もう1つ、いい焼肉店を見極めるための判断基準があります。それは、内臓系(ホルモン)を食べてみること。
内臓系はカルビやロースなどの正肉と違い、鮮度が非常に重視されます。お店の質は、内臓系の鮮度にも表われるわけです。なかでも、特にチェックしていただきたいのは「ハツ」(心臓)と「シマチョウ」(大腸)です。
ハツは、鮮度が命。上質なハツは、あずき色で肉厚です。そして何より注目すべきは、ハツの切り口。まるで彫刻のようにエッジが効いている、つまり角がしっかり立っていて、だらけていないものが新鮮な証拠になります。
『知ればもっと美味しくなる!大人の「牛肉」教養』(小関尚紀、三笠書房)
もし、解凍されて水分が出ていたり、だらしない印象のハツが出てきたりしたら、そのお店は次から避けたほうがいいでしょう。
また、シマチョウは独特の脂の旨味が魅力ですが、鮮度が落ちると臭みが出やすい部位でもあります。鮮度が高いシマチョウは、腸壁側が薄いピンク色をしており、表面の波模様がはっきりと浮き出ているのが特徴です。
この波模様が鮮明であればあるほど、新鮮な証拠。逆に、色がくすんでいたり、波模様がぼやけていたりするものは、鮮度が落ちている可能性があります。
つまり、シマチョウの美しい見た目は、お店が内臓系の仕入れや管理にどれだけ力を入れているかの指標になるわけです。
少し長くなってしまいましたが、これらの「いい焼肉店の法則」を参考に、あなたにとっての最高の焼肉店を見つけて、日頃の疲れを吹き飛ばしてくださいね。







