株式投資で資産を増やし続ける人たちは、「株の売買タイミング」をどう見極めているのでしょうか? 「株価チャートのクイズに答えるだけで株のセンスが身につく」―そんなユニークなスタイルで人気を集めているのが『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』です。著者は、2000億円超を運用した元ファンドマネジャー、楽天証券の窪田真之さん。この記事では、編集担当の視点から、本書のポイントを紹介します。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株で勝てる人と負ける人を分ける「決定的な2つの心理」Photo: Adobe Stock

①「先入観が強い人」ほど、相場が反対に動いた時に弱い

 チャートでトレードする際に重要なのは、先入観を排除することだと窪田さんは強調しています。

「この会社は絶対に伸びる」「いよいよバブル崩壊だ」。こうした思い込みを持ってしまうと、チャートを素直に見ることができなくなります。

 その結果、下落トレンドにある株をなかなか手放せなかったり、上昇トレンドにある株を買えずに見送ってしまったりして、売買のチャンスを逃してしまうのです。

②勉強重視のマインドだと、上達のチャンスを逃す

 また、意外に思えるかもしれませんが、窪田さんは「勉強ができる人ほど株で失敗しやすい」と語っています。

 勉強ができる人ほど、トレードを始める前に、チャートのパターンや投資理論といった知識を徹底的に頭に入れ、「絶対に失敗しない状態」を作ろうとします。

 しかし、「絶対に失敗しない投資判断」はありえないし、株は知識だけで勝てるものではありません。

 たとえば、英会話を上達させたいなら、実際に英語を話すことが一番の近道です。文法や単語を完璧にしてから話そうとしていては、いつまでたっても上達しません。

 株のトレードも同じだと言います。経験を積まない限り、相場と向き合う感覚は養われないのです。

 こうした「先入観を排除する」「知識よりも実践」という考え方がベースにあるからこそ、本書は一般的な解説書とは一線を画す、実践的な構成になっています。

 理屈を延々と読むのではなく、いきなり実践的な投資判断に挑む。「買いか、売りか、様子見か?」チャートを見て自分で考えるこのトレーニングを繰り返すことこそ、トレード上達の近道だと窪田さんは強調しています。

このチャート、あなたはどう判断しますか?

 では、実際に本書のスタイルで、トレーニングをしてみましょう。

 次のチャートを見てください。あなたなら「買い」「売り」「様子見」のどれを選ぶでしょうか。

株で勝てる人と負ける人を分ける「決定的な2つの心理」

 窪田さんは、このチャートを「買い」だと判断します。その理由は主に次の2つです。

①売買高の増加を伴う上昇

 売買高の増加は、この銘柄の人気が高まっているサインです。「急いで買いたい」という投資家が増えるほど、売買高は増えます。売買高を伴う株価上昇は、相場の勢いの強さを示している可能性が高いのです。

②移動平均線の変化

 10ヵ月前に急落していた移動平均線が、徐々に横ばいへと変化。さらに足元では上向きに転じています。

 加えて、ゴールデンクロス(13週移動平均線が26週移動平均線を下から上へ抜ける)も発生しており、トレンド転換の兆しが見えてきています。

自分の「バイアス」に気づく方法

 チャートを客観的に見るための簡単な方法として、窪田さんがすすめているのが、「チャートを逆さに見る」というテクニックです。

 チャートを上下逆にすると、買いシグナルは売りシグナルに変わります。

 たとえば、常に強気の人は、どんなチャートを見ても「買い」に見えてしまう傾向があります。これは強気バイアスです。

 もし、あなたが「買いだ」と思ったチャートを逆さにして見たとき、それが「売り」に見えないとしたら、先入観で目が曇っている可能性があります。

 先ほどのチャートを上下反転すると、「売り」の判断になります。

株で勝てる人と負ける人を分ける「決定的な2つの心理」上下を逆さにしたチャート

 このように、反対の判断を下せるかどうかを確認することで、自分がチャートを素直に観察できているかをチェックできるのです。