どうやったらリハビリ真っ最中に
50本もホームランを打てるのか

 大谷の二刀流は、特に目新しいものではない。エンゼルスに所属していた6シーズンのうち5シーズン――2019年は初めてのトミー・ジョン手術があったため投手としては全休だった――で投手と打者の両方をしていたが、そんな両方の活動を日常的に間近で目撃するのは、ドジャースのチームメイトにとって特筆すべき出来事だった。

「あいつは、かつてないくらい強烈な球を投げるようになっている。あれだけの球速とコマンドを兼ね備えているなんて、もう驚くしかないよ。とにかく驚嘆させられているよ」

 フレディ・フリーマンが語った。

「マウンドであれだけのことをしていて、今度は1回裏に入ったらすぐ打者として打席に入っている。もう言葉もないよ。去年も、どうやったらトミー・ジョン後のリハビリ真っ最中のヤツが50本もホームランを打てるのかと仲間内で話してはいたんだ。だけど、今や投手としても投げている。もう表す言葉がないね。だからこそ、あなたたち記者が言葉にならないことを言葉に変えて、お金を稼ぐのではないか」

『SHO-TIME 4.0 大谷翔平 二刀流復活と連覇の軌跡』書影SHO-TIME 4.0 大谷翔平 二刀流復活と連覇の軌跡』(ビル・プランケット、徳間書店)

 そう言いつつ、大谷が何が何でも二刀流選手として復帰しようとする強烈な動機をフリーマンは言語化してくれた。

「僕が見るところ、ショウヘイはとにかく投げるのが大好きなんだよ。打つことより投げることのほうが、根本的に大好きなんだ。マウンドに上がってしまえば、試合の展開をすべて投手が仕切ることができる。あいつが投手復帰にこだわるのは、そこじゃないかな。

 僕だって、子どもの頃はピッチャーをやっていて大好きだったよ。あの感じは楽しかったな。すべてが自分にかかってくるあの感覚がたまらないんだ。ショウヘイも、そこが投手について気に入っているところなんだと思うよ。

 今やショウヘイは球界屈指の強打者になっているけど、プロ有数の投手でもある。とにかく、考えられないくらいすごいことだよ」