総予測2025#112Photo:Daniel Shirey/gettyimages

大谷翔平が所属するドジャーズが優勝し、日本でも大いに盛り上がった24年の米メジャー・リーグ(MLB)。そして1月17日、ポスティングでMLB入りを目指していた佐々木朗希が、ドジャーズとの契約合意を発表。特集『総予測2025』の本稿では、野球ジャーナリストの横尾弘一氏が25年にはチームメイトとなる大谷と佐々木をはじめ、MLBでの日本人選手の活躍を占う。(野球ジャーナリスト 横尾弘一)

25年の大谷翔平は
史上初の投打タイトルW受賞に期待

 世界的スターの大谷翔平が、優勝を目指して移籍したロサンゼルス・ドジャースはワールドシリーズまで勝ち上がり、ニューヨーク・ヤンキースとの名門対決は大いに盛り上がった。そして、ドジャースの世界一で大谷の栄光への第1章は完結。150年になるメジャー・リーグ(MLB)の歴史において、誰も届かなかった記録を達成してしまう大谷は、2025年にはどんな夢を実現してくれるだろう。

 大谷は23年9月に右肘を手術し、投手としてはリハビリ中。経過は順調と伝えられているが、ワールドシリーズで盗塁を試みた際に右肩を痛めて手術しており、25年シーズンは慎重なスタートになるはず。それでも、常にベストを尽くす大谷に期待されるのは、投手と打者のタイトル両獲りだ。

 24年の大谷は指名打者に専念し、本塁打王と打点王に輝く活躍を見せた。それでも満足せず、リーグ2位の59盗塁をマーク。「打つだけ」とやゆされる指名打者の概念を覆し、それが史上初となる指名打者の最優秀選手(MVP)選出にもつながった。

 投手に復帰すれば、ケガのリスクを伴う盗塁数は確実に減る。それでも、指名打者で24年のような活躍を見せ、投手でも最多奪三振や最優秀防御率をマークすれば、投打のタイトル同時受賞も史上初の快挙である。

 さらに、4回目選出のMVPとともに、最優秀投手に贈られるサイ・ヤング賞でも有力候補になるだろう。ドジャースは積極的に戦力補強を続けており、25年の大谷は開幕時には指名打者で、5月あたりから登板できると思われるが、どこまで投げられるか。

 さて、投手としての才能なら、大谷をも超えると評される佐々木朗希がMLBに挑戦する。23歳ゆえMLBの労使協定で、かつての大谷と同様に契約金は制限され、マイナー契約からのスタートだ。

佐々木朗希はMLBで即戦力となれるのか?次ページでは、野球ジャーナリストの横尾弘一氏が25年MLBに挑戦する日本人選手の活躍を占う。