実際に平屋に住んでいるのは、建築や内装に関心が高い共働きのディンクス層や高収入なパワーカップル層だそう。
「平屋の一番の魅力は建築の自由度が高い点にあります。階段がないのでスペースも広いですし、2階がないので建物が揺れることもない。2階建てと違って、柱の制約もありません。その分、天井高も取れるので視界に見える面が広いです。また、キッチンやお風呂などの設備は一般的な住宅と違い、リゾートホテルにあるような特注のものが使われがちですね」
縦にも横にも広い空間を確保できるため、建築士も設計しやすく、デザイン性の高い空間が作れるそうだ。
コロナ前と後で平屋はどう変わった?
建築費用を抑えると思わぬ落とし穴が
「ただ、コロナで都心から地方に移り住む人が増えたことで、湘南地域の中古平屋は争奪戦状態で、物件の価値は上がっています」
コロナ前であれば、2000万円から3000万円で購入できていた中古平屋だが、現在は同じ条件でも6000万円から7000万円にまで値段が上がっているという。購入者もコロナ前に比べて2.5倍ほどに増えており、需要に対して物件が圧倒的に不足している。こだわりの平屋を望む人たちの多くが、新築ではなく中古の平屋をリノベーションしているそうだ。とはいえ、リノベーションにかかるコストも低くはない。
「平屋に対して“2階がない”という点だけでコストを抑えられると考える人は多いですが、住む側のこだわりを追求する過程で金額が上がります。とはいえ、安く済ませようとして、普通の物件に使うような素材を当てはめてしまうとおしゃれさは格段に下がってしまい、平屋の醍醐味は失われてしまいます」
また、リノベーションについては、技術面に課題がある、と竹内氏。
「平屋のリノベーションには構造体がわかる建築士がデザインする必要があります。そうなると一級建築士にお願いすることになりますし、追加でデザイン料が必要となれば結構な金額になりますね…」
2階建てやマンションよりも、平屋のリノベーションには職人の力量が特に必要となる。また、立地についても平屋特有の条件があるそう。
「高台でいい景色が見える、もしくは物件の前が開けていることが平屋に向いている土地の条件になります。防犯面を考えても富裕層エリアが安心。平屋は背が低いので日当たりの問題も無視できません。周りが2階建てばかりだと日が入りませんよね」
老後の選択肢として小さな平屋を探す高齢者も多い。しかし、駅や病院へのアクセスを考えて最終的にはマンションを選択する人が大半だという。
「高齢者だけでなく、ファミリー層にも手が届きにくいでしょうね。家族が住める平屋となるとさらに費用は嵩みます。都内だと敷地も一層限られるので、平屋を建てること自体難しいでしょう」
こうしたことから、平屋をあきらめ、中古のマンションや戸建て物件を選ぶ人も多いようだ。







