不動産投資でカモられるサラリーマンが手を出しがちな「危うい案件」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

NISAやiDeCoなど資産形成の手段は数多くあるが、人生を大きく変えたい人には不動産投資が断然おすすめだという。不動産投資家のたまっちが、知識ゼロの35歳サラリーマンの平太郎くんに不動産投資のノウハウを伝授する。本稿は、たまっち『最短5年で家賃年収1000万円になる方法 あなたにもできる不動産投資のススメ』(清談社Publico)の一部を抜粋・編集したものです。

「不動産を買えば儲かる」
ってわけじゃない

―借金で買っても不動産は資産になる。しかし、借金が返済不能になる恐れはあるはずだ。

平太郎「でも、待ってください。家賃から借金を返済していくにしても、入居者が退去することもあるわけですよね?」

たまっち「賃貸物件だからね。転勤や住み替えで引っ越しをする可能性はもちろんあるだろう」

平太郎「空室で家賃が入らなくなったら、返済できなくなるってことですよね?そう考えると、やっぱり怖いんですが……」

たまっち「その通りだ。空室が出てしまうことで返済が滞れば、経営は行き詰まる。そうならないために、物件選びの際に注意が必要だ。購入する前に、その物件に賃貸需要がきちんとあるかどうか調べなければいけない」

平太郎「賃貸需要がある物件というのは、どんなものなのでしょうか?」

たまっち「たとえば、駅から遠いけれど近隣に工場があって、そこで働く従業員の入居が見込める、などのケースだね。賃貸需要がある物件ならば、退去が発生しても次の入居希望者がすぐに現れる可能性が高いよ」

平太郎「なるほど、空室が埋まりやすい優良物件を選ぶことが大切なんですね」

たまっち「特に最初は知識や経験が少ないので、なるべくリスクを抑えていきたいね。初心者の物件選びという点でいうと、最初の1棟目は、すでに入居者がいる『オーナーチェンジ物件』を買うことをおすすめしているんだ」

平太郎「すでに入居者がいれば、買った瞬間に家賃収入が入ってくるから安心ですね」

たまっち「そうだね。そして不動産賃貸業に慣れてきたら、融資を受けて、さらに不動産を買っていく。家賃収入に対する返済比率に余裕を持たせつつ、毎月の手残り額(=家賃収入から返済分と経費を引いたもの)を堅実に貯めて空室の発生に備えるんだ」

平太郎「なるほど。空室リスクはあっても、購入時にきちんと優良物件を選んで、空室リスクにもきちんと備えていけばいいわけですね。でも、たまっちさんはサラッと言いますけど、実行するのは難しそうに思えます……。ちなみに、不動産賃貸業で失敗している人って、やっぱりいるんですか?」