クルーズのギャラは
1本2000万ドルに到達

 ハリウッドの俳優は何百万ドルものギャラを稼いでリッチであるという印象が強いが、通常の場合ギャラは一括払いである。出演前にエージェントやマネージャー、弁護士といった、その役者の代理人がスタジオなどの製作者と交渉し、その金額が決まる。

 クルーズの場合、出演5作目『卒業白書』で既にスターの地位を築いたため、その後のギャラはうなぎのぼりに上がっていき、90年代初めには1000万ドル、半ばには2000万ドルのギャラを稼ぐようになっていた。

 1本2000万ドルという数字はひとつのバロメーターであり、俳優のギャラが高騰し始めた90年代後半、最初にこの数字に到達したジム・キャリーを筆頭に、ウィル・スミス、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオなど、当時の大スターが次々と達成していった。

 この額に到達できるのは真のスターになった証拠であり、スターにこの金額を払うことが出来るのは、ハリウッドのスタジオが作るブロックバスター作品だけだった。ブロックバスター作品というのは、夏休みにファミリーで見に来られる大型アクションやアドベンチャー、ファンタジーのような作品を意味する。

 この2000万ドルのベンチマークを女優として初めてジュリア・ロバーツが達成した時には大きな話題となったが、特筆すべきは2000万ドルを超えた女優は20年以上経った今でも数えるほどしかいないことだ。ハリウッドの女性軽視がいまだに叫ばれるのはこういった実情によるのだが、その話はここではやめておこう。

 人気、実力共にトム・クルーズは、2000万ドルのギャラにとどまらず、その金額を2倍にも3倍にもしていくことが出来たかも知れない。しかし俳優の高額ギャラというのは、映画製作費の高騰を意味し、映画製作をする際のハードルになるだけである。

 90年代、1億ドルの制作費というのはメガ級の高額だったが、インフレに伴い30年後の現在、超高額製作費と言えば2億ドルを超える。VFXやCGIなど、技術面の発達により、そこの部分の費用が増えたこともあるが、高額製作費の中でいつも一番大きな部分を占めるのは有名人のギャラである。