Photo:SANKEI
ハリウッドのトップスターは、映画1本あたり2000万ドルの出演料を受け取るという。トム・クルーズともなれば、その2倍、3倍でもおかしくないが、彼はあえて「高額のギャラを求めない」道を選んできた。その選択に隠された卓越したビジネスセンスと、クルーズの多彩な才能に迫る。※本稿は、アカデミー賞ウォッチャーのメラニー『トム・クルーズの真髄 40年間トップに立ち続ける理由』(星海社新書)の一部を抜粋・編集したものです。
トム・クルーズが持っていた
ビジネスへの鋭い嗅覚
トム・クルーズに他の俳優と決定的に違う点があるとすればそれは、彼が卓越したビジネスセンスを持ち合わせているということだろう。
クルーズは常に、映画を作り続けることが自分の夢であり、目標であることを明言しているが、そのために何が出来るか、すべきかを明確に理解している。
映画製作においての俳優のポジションは、チェスに喩えるなら駒のひとつにすぎない。駒の中のキングの存在が主演俳優であり、その役割は大きいが、動かすのは監督であり、ボードや駒を揃えるのはプロデューサーである。
彼は映画製作のメカニズムと権力配分を、早い段階で理解した。『タップス』(編集部注/本人が「最初の作品」と称する1981年公開の映画)出演時から、裏方の現場や脚本開発の現場を観察した事が、理解を深めるきっかけになったのだろう。
手始めにクリエイティブな観点からの映画製作を学び、それが終わると彼は、配給システムや製作費を捻出するスタジオの仕組みについて勉強した。そして、自分の作りたい映画を作り続けて行くためには、クリエイティブとビジネスの両方をコントロールする必要がある事を深く理解したのである。







