「トップガン」「レインマン」でも届かず…トム・クルーズとアカデミー賞「40年の壁」Photo:SANKEI

ハリウッドを代表する大スター、トム・クルーズ。40年以上にわたり第一線で活躍し続け、数々の名監督とも仕事をしてきたにもかかわらず、2025年までオスカー受賞とは無縁だった。その背景には演技力や作品の質だけでは評価されない、アカデミー賞特有の価値観と偏見があった。アカデミー賞を35年以上見続けてきた筆者が、トム・クルーズが冷遇された本当の理由を明かす。※本稿は、アカデミー賞ウォッチャーのメラニー『トム・クルーズの真髄 40年間トップに立ち続ける理由』(星海社新書)の一部を抜粋・編集したものです。

多くのオスカー監督作品に出演するも
賞とは無縁だったトム・クルーズ

 アカデミー賞目線で見た時のトム・クルーズのキャリアを見てみよう。

 今年(2025年)、トム・クルーズのアカデミー名誉賞受賞が決まった。1981年『エンドレス・ラブ』でデビューして以来40年余りの映画人生において、彼がオスカーを受賞するのは初めてである。

 いわゆるコンペティティブなオスカーではなく、功労賞にも似た名誉賞でのオスカー初受賞を「終わった人に与えられる賞」と捉える人もいるが、私はどんな形でも彼がオスカーを手にするニュースは至上の喜びとして受け止めた。

 意図的であるかは別として、クルーズの映画人生には初めから、オスカーが付きまとっている。

 2025年までの出演作48本を振り返ると、その多くがオスカー監督賞か作品賞にノミネート経験のある監督作品ばかりだ。本人が「最初の作品」と称する『タップス』は、史上最年少でオスカー助演男優賞を受賞したばかりのティモシー・ハットンと共演の群像劇だった。