費用がかからない「防犯対策」
知らない人を見かけたら挨拶をする

 防犯対策の中で、一番重要で費用をかけず最も手軽にできるのが「挨拶」だと、佐野さんは指摘する。

「知らない人が歩いていたら、『こんにちは』と声をかけましょう。たったそれだけで、下見に来た泥棒は、『この街はコミュニティがしっかりしていて入りにくい』と感じて退散します。挨拶は無料でできる最強の防犯対策ですので、ぜひ皆さんで取り組んでください」

 窓やドアを頑丈なCP製品に変更する、防犯カメラやTVドアホンなどの設備を取り付けるといったハード面の対策だけでなく、日々の習慣によるソフト面の対策も重要だ。

 習慣として最も大切なのが「施錠」。「在宅中でも必ず施錠する」「ちょっとゴミ出しに行くだけでも施錠する」「マンションのオートロックがあるからと、自宅のドアや窓を無施錠にしない」など、施錠の習慣を身につけよう。

 また、現代ならではの対策として、佐野さんは以下のポイントも挙げる。

「SNSなどに『今、旅行中!』などリアルタイムで不在を知らせる投稿や、住所が特定できるような投稿をしない」「固定電話は留守番電話に設定し、セールスや銀行、公共機関などを語る電話がかかってきても、不用意に家族構成や資産状況を伝えない」など、SNSやセールスに対して情報を漏らさないことも心がけたい。

 この他、在宅時にも押し入ってくる侵入強盗に対する対策として、「来客時には不用意にドアを開けず、必ずインターホン越しやドアチェーンを活用して対応する」「荷物は直接受け取らず、置き配や宅配ボックスを活用する」ことも習慣づけよう。

 万一、侵入強盗が押し入ってきた場合に備えて、「家の中に鍵がかかるセーフティルーム(トイレなど)を設けておく」「侵入者に気付いた際に、鉢合わせせずに逃げられるルートを確認しておく」などの準備もしておきたい。

 愛知県セルフガード協会では、近年「まちの防犯診断」に力を入れている。自治会や学区を単位として、防犯設備アドバイザーが地域住民や警察、自治体職員と共に街を歩きながら、どこに防犯上の弱点があるのかをチェックする活動だ。

「公園の植栽が伸びすぎて死角になっていないか」「街灯が少なく暗い道はないか」など、プロの視点で街の「隙」を徹底的にチェックし、改善策をレポートにまとめて提案している。

 2021年からスタートし、2025年を含めると実施回数はすでに200回を超えるなど、全国的にも先進的な取り組みとして注目を集めている。

 これからの防犯対策は、まち全体も含めて考えることが欠かせないと言えるだろう。泥棒が嫌がる「時間・音・光・地域の目」という防犯4原則の対策に加えて、住民同士の挨拶を心がけたり、一戸一灯運動を取り入れたりと、今日からできる防犯対策にぜひ取り組んでほしい。

「泥棒に狙われやすい家」の共通点とは?ベランダ、軒下、郵便受け…犯人にこっそり「下見」されている意外な場所筆者がAIで作成したイメージイラスト