【解説】ミクログリアを「過労」させない生活習慣
脳内の最強のお掃除部隊であるミクログリアですが、その処理能力にも限界があります。もし私たちが日々の生活で「脳のゴミ」を大量に発生させてしまえば、ミクログリアは過労状態に陥り、いずれ機能不全を起こしてしまいます。
つまり、100歳までクリアな脳を保つ第一歩は、「お掃除力を上げる」と同時に、「そもそもゴミを増やさない」ことです。その大きな敵となるのが、糖質の摂りすぎによる「糖化」や、慢性的なストレスです。
過剰な糖分は体内でタンパク質と結びつき、脳の神経細胞を傷つける原因となります。まずは、日々の食事で甘いものを少しだけ控える意識を持つだけでも、ミクログリアの負担を大きく減らすことができるのです。
お掃除スイッチを強力に入れる「睡眠」と「空腹」
では、ミクログリアにフル稼働してもらうためにはどうすればよいのでしょうか。一つは、やはり「質の高い睡眠」です。私たちが深く眠っている間、脳の細胞間にわずかなすき間ができ、蓄積したアミロイドβなどの老廃物を一気に洗い流すメカニズムが働きます。睡眠は、脳の「全自動洗浄コース」ともいえるのです。
そしてもう一つ、日常に取り入れたいのが「適度な空腹」です。夕食から翌日の朝食までしっかりと時間を空け、胃腸を休ませることで、細胞が自らを浄化する「オートファジー」という機能が活性化します。この働きが、ミクログリアの清掃活動を力強く後押ししてくれます。
100歳までクリアな脳は、今日の小さな選択から
「脳の健康」と聞くと、難しい脳トレや特別なサプリメントを想像するかもしれません。しかし、本当にミクログリアが喜ぶのは、十分な睡眠、腹八分目の食事、日常の適度な運動といった、とてもシンプルで基本的な習慣の積み重ねです。
「最期まで自分らしく生きる」ための主導権は、あなた自身の手にあります。今日食べるもの、今夜の眠り方。その小さな選択の一つひとつが、ミクログリアを元気にし、100歳までクリアな脳を守り抜く最高の投資となるのです。
※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。









