Photo by Mieko Arai
6月4日夜、東京・内幸町。ある建物の中に、サッカー日本代表のワールドカップアジア最終予選に熱い声援を送るため、約800人が集った。
旧みずほ銀行本店の講堂に、首都圏から行員らが集結、大型スクリーンで試合を観戦したのだ。その中には、みずほフィナンシャルグループ(FG)の社長で、合併後のみずほ銀行の頭取も兼任する佐藤康博氏の姿もあった。
日本の引き分け以上で本戦出場が決まる大事な一戦。土壇場で日本代表が同点に追いつくと興奮は最高潮に達し、試合終了後には「Oneみずほ」コールが沸き上がった。
このイベントは、サッカー日本代表のスポンサーとなったみずほFGが、グループの連帯を高めるために開いたものだ。
7月1日、リテールとホールセールの担当を分けていた傘下銀行を合併し、新生みずほ銀行を発足させたみずほFG。ツーバンク制で管理部門などが重複し、非効率が顕著となっていた他、統合旧3行の足の引っ張り合いで貸出金が減少するなど、地盤沈下も生じており、完全ワンバンク化で再出発することとなった。
顧客側の希望が言い訳に
今回の合併では、共通コストのさらなる削減や、顧客情報の共有によるスピードアップなどもさることながら、いかにグループの結束を高めるかが、最重要課題の一つとされている。
もちろん、サッカーの助けを借りるまでもなく、一体感を高めようとあれこれと施策に頭をひねってきた。
例えば、支店の行員と役員が車座になった意見交換会を頻繁に開催。今年2月に発表した新中期経営計画の内容を役員自らが説明し、経営陣の思いを末端まで浸透させている。