くすぶる旧行意識やグループ間のファイアウオール規制(情報規制)などを乗り越えた先に「Oneみずほ」の姿がある(写真は佐藤康博・みずほFG社長)

「日本のメガバンクでは初めての(組織)管理体系を取りたい」

 みずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長が、満を持して発表した新たな中期経営計画は、銀行と信託、証券を「あたかも一つの組織として運営する」(佐藤社長)という、経営の一体感を前面に押し出した内容だった。

 グループ内連携の強化に向けて、これまで弱かったFGの機能を大幅に強化。6人の副社長を、人事、財務、システムなどのグループ長や大企業、個人、国際などのユニット長に据え、それぞれが銀行、信託、証券すべてを横断して管理しグリップを利かせる仕組みに改めている。

「Oneみずほ」という中計のテーマが示す通り、縦割りだった組織体系に横串を刺すことによって、ガバナンス(統治)の強化と意思決定の迅速化につなげていくのが狙いだ。

 その意気込みは、言葉だけでなく役員人事にも鮮明に表れた。

 佐藤社長が「旧3行の背番号を徹底的にはずす」と宣言したように、出身行に関係なく、1976~79年入行組の大半が退任し、80年組を中心に副社長に昇格させた。システム障害で引責辞任した西堀利・元みずほ銀行頭取の後を受けてFG副社長に就いた80年組の西澤順一氏が退任するなど、随所に「佐藤色」が滲む人事だった。

 人選に当たっては、タワーズワトソンなど外部のコンサルティング会社を活用し、上司や部下、同僚にヒアリングをかける360度評価を実施。評価を参考に、佐藤社長と社外取締役の計4人で構成する指名委員会で作業を進めたが、当初は「身内に甘い評価が散見され、扱いに困るものもあった」と、取締役の1人は明かす。