この差額630万円程度を10年で埋めるには、1年あたり約60万円(月額5万円強)の昇給を継続しなければなりません。
一方、単に「世代の中央値」を維持するだけでも、少なくとも1年あたり10万円(月額8000円強)の昇給ペースが必要です。
みなさんの会社や役職によって昇給システムは異なりますが、「現在の昇給ペースで目標に到達できるか」を冷静に見極めましょう。もし厳しそうなら、キャリア戦略の組み立て方を見直すきっかけにもなるでしょう。
転職の回数が多いほど
年収は増えるのか?
さて、ここからは「転職」と「年収」の関係を見ていきましょう。
図1-4は、転職回数・世代別にITエンジニアの平均年収を比較したものです。
これによると、全世代において転職回数が多い人ほど年収も高い傾向にあり、20代後半、30代前半では転職回数1回あたり年収が20万~40万円ほど高い傾向が読み取れます。
一方で、40代になると転職回数によらず年収が700万円強に収束し、転職回数による差は縮小しています。これには複数の要因が考えられます。年齢を重ねるにつれて転職回数よりも「実績や役割」が年収に反映されやすくなること、また、現在の40代エンジニアが転職を経験した当時は、IT業界の転職市場が今ほど活況ではなく、転職による年収向上が限定的だった可能性もあります。若い世代では、転職によって早い段階から高い年収に到達する傾向があり、同じ世代同士でも生涯賃金では1000万円以上の差がつく可能性があります。
同書より転載 拡大画像表示
こうした状況が、SNSなどで「ITエンジニアは自社内で昇給を待つより転職したほうが給料が増える『バグ』がある」と語られる背景になっているのではないでしょうか。







