ITエンジニアは転職したほうが
給料が増える理由とは
なぜ、このような構造が生まれるのでしょうか。主な理由は、次のように整理できます。
(1)高度なスキルを身につけたITエンジニアほど、より高い給与レンジを提示できる企業グループに移籍可能になる。
例:受託開発→スタートアップ/メガベンチャー→グローバル企業/外資系……など
(2)企業が人材の流出を防ぐためには、より上位グループの給与テーブルに追随しなければならない。しかし、多くの企業はそこまで追随できず、結果として「転職のほうが年収を上げやすい」構図になる。
(3)結果として、同じ企業内での昇給ペースよりも「上位グループへ転職」したほうが、早く年収が上がってしまう。
これはどの階層でも起こりうるため、「自分の企業がどのグループに属しているか」を理解するのも大切です。
また、景気が悪化すると、各グループとも年収が上がりにくくなりますが、相対的に「上位グループに移るほうが給料を確保しやすい」という構造自体は変わりません。転職は、市場原理の枠内でより高い報酬グループに移動するための手段ともいえます。
給料を左右する
4つの要因
ここまで見てきたように、ITエンジニアの給料は一人ひとり大きく異なるのが実態です。では、給料はどのように決まるのでしょうか。
アメリカの社会学者、ジェイク・ローゼンフェルドの著書(注2)によれば、給料を決める要因は大きく4つあります。これを影響力が大きいと言われる順に紹介します。
(1)権力(給料決定権)
給与テーブルを作り、実際にオファー額を決める「権力者」が何を重要視するかで個人の待遇は激変します。この権力者の価値観は一様ではありません。そのため、「絶対的な市場価値」は存在しないのです。
(2)模倣(同業他社との同質化)
企業は「同業他社の給与水準」を参考にするため、業種・規模・業態ごとに似たような給与テーブルが形成されます。外資なら外資、メガベンチャーならメガベンチャー、SIerならSIerで、それぞれ「グループ内の相場」が固まっていきます。







