成長速度が速い人は
「師匠」を持っている

 前述したように、「出世しそうな人を見極め、ついていく」戦略は有効とはいえません。

 まして出世しそうであっても責任から逃げたり部下に押し付けたり、「あれはオレがやった」と部下の手柄を横取りする「あれオレ詐欺」を頻繁にしたりするような人物はついていくべきではないでしょう。

 そもそも「出世」は同じ社内での競争に勝ってポジションをあげていくだけでなく、転職しながら実力をつけ、別の会社でポジションをあげていく道もあります。

 そこでお勧めしたいのが、あまり打算的にならず、自分の周囲にいる「すごいな、この人」と思う人を「師匠」にして、ついていくことです。

 わざわざ「弟子にしてください」と申し出る必要はありません。勝手に自分の師匠と位置付けて、そこから学んでいくわけですが「あなたを参考にしています」と伝えてもよいでしょう。師匠という言葉を使いましたが、メンターと言い換えてもよいと思います。

 師匠がいる人はハッピーです。なぜなら、師匠のいない人は一から自分で考えて生きていかねばなりませんが、師匠がいればその一挙手一投足や発言を真似ていけばいいからです。師匠がいる人はそうでない人に比べ、成長速度がグンと速くなります。

 そして時間が経過すると「すごいな、この人」と思っていた人に、自分が追い付くこともあります。師匠と考えていた人が自分以上に成長し続けてくれればよいですが、そんな人ばかりとは限りません。

 その時はまた別に師匠となり得る人が出てきますから、新しい師匠についていく。

 武道のような達人を師匠とする世界とは異なり、ビジネスパーソンの世界では身近に圧倒的な実力者がいることはそうありません。

 したがって「すごい」と感じる人がいたらその人を師匠としてついていき、やがて視野が広がってその人に追いついた、あるいはちょっと方向性が変わったと思ったら、また違う師匠についていけばよいのです。