先延ばしを防ぐための
3つの具体策
では、どうすれば先延ばしを減らせるのでしょうか。方法は意外とシンプルです。
まず、本当の締め切りより前に「自分の締め切り」を置くことです。
たとえば3月16日が提出期限なら、自分の中では3月13日を締め切りにしてしまう。これだけで、最後の3日が“バッファ”になります。何かトラブルが起きても吸収できますし、精神的にもかなり楽になります。
次に、作業時間は見積もりの1.5倍で計算することです。
2時間で終わると思うなら3時間、2日で終わると思うなら3日。これは厳密な科学式ではありませんが、人の見積もりが甘くなりやすいという研究を踏まえるなら、かなり現実的な工夫です。
計画段階から余裕を持たせておけば、予想外のトラブルにも対応しやすくなります。一般的に考えても、そのほうが予算オーバーや人員不足のような問題に陥るリスクは下げやすいでしょう。
さらに、「全部やる」ではなく「最初の15分だけやる」と決めるのも有効です。
人が重く感じるのは、作業そのものよりも「着手」です。いったん始めてしまえば、続きは意外と進みます。
確定申告なら、「必要書類を机に並べる」「源泉徴収票だけ確認する」「医療費控除の領収書だけまとめる」といった最初の一歩だけで十分です。大事なのは、完璧に終えることではなく、ゼロの状態をなくすことです。
要するに、先延ばしを防ぐコツは「自分は意志が弱い」と責めることではありません。人は締め切りを甘く見積もりやすいという前提に立って、先回りして仕組みを作ることです。そうすれば、直前になってあたふたする確率はかなり下がります。
楽観的に生きることと、計画を甘く見積もることは別です。
気持ちは前向きでも、スケジュールだけはやや悲観的なくらいでちょうどいい。そのほうが、結果として余裕を持って、質の高い仕事ができます。確定申告も同じです。「まだ大丈夫」と思った今日が、いちばん動きどきなのかもしれません。
Buehler, R., Griffin, D., & Ross, M. 1994. Exploring the “Planning Fallacy”: Why people underestimate their task completion times. Journal of Personality and Social Psychology, 67, 366-381.
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