「みんなが恐怖で売っている時は、長期的には安い」

 ただそれだけの判断でした。

 暴落時に本当に重要なのは「特別な投資法」ではありません。

 市場が急落すると、多くの人は「どうやって底値を当てるか」を考え始めます。

 しかし、実際にはプロでも底値を正確に当てることは難しいもの。

 だからこそ富裕層は、タイミングを当てる投資よりも「行動のルール」を重視するのでしょう。

・一次情報を見る

・専門家に裏を取る

・そして、恐怖が世の中を支配している時に静かに行動する

 その行動は、決して派手ではない、むしろ地味です。ですが、長期的には非常に合理的な投資になっていることが多いです。

「暴落で損する人」と
「暴落から利益を出す人」の違い

 ここ数年ほどの相場は、下がっても金融緩和、財政出動、トランプ米大統領の前言撤回で“安全網”のように機能し、結局は株価はV字回復。いわゆる「押し目は買い(Buy the Dip)」が報われる環境でした。

 しかし、今回のイラン情勢から始まる中東の混沌が同じ型で語れるのかは疑問です。米国際政治学者ジョン・ミアシャイマー氏は、今回の戦争が米国にとって必然ではなく、同盟政治の力学で「引きずり込まれた」側面が強いとし、拡大・長期化のリスクを強く示唆しています。

 また、フランスの歴史家エマニュエル・トッド氏も近年の論考で、世界が複数の火種を抱えたまま同時進行で“分断とエスカレーション”に向かう危うさを繰り返し論じているのは皆さんもご存じでしょう。

 要するに、「一瞬下がってすぐ戻る」ことを前提に全力で動いていい局面とはどうも思えません。

 賢い富裕層がやることは予言ではありません。一次情報に触れ、現場で裏を取り、ポジションを壊さない形で“買い下がれる設計”を淡々と維持する——それだけです。

 暴落で損をする人は、情報が多すぎる人ではないでしょうか。ニュースやSNSの情報に振り回され、恐怖の中で判断してしまいます。

 一方で、暴落で利益を出す人は、情報を疑う人です。

 市場が大きく動くときこそ、投資家の行動の差がはっきりと表れるもの。そして、その差が長期的な資産の差につながっていくのです。

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