◆放置された高血圧から大切な記憶を守るルール
『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)は、7000人の脳を診察し、3000本以上の論文を読破した専門医が、科学的根拠に基づいて「一生ボケない脳のつくり方」を徹底解説した1冊。【血圧】【食事】【睡眠】【速歩】【呼吸】【お酒】の習慣術で、100歳まで健やかな脳を育てるノウハウを紹介する。
※本稿は、『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。
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「痛くも痒くもない」が一番怖い?
放置された高血圧の真実
「最近、人の名前が思い出せない」「このまま認知症になったらどうしよう」……。そんな不安を抱えていませんか? 実は、その物忘れの背景には、多くの日本人が放置しがちな「高血圧」という危険な罠が隠れているかもしれません。
これほど高血圧が蔓延しているにもかかわらず、多くの人がこの危険を放置していることが大きな問題です。血圧が高くても痛くも痒くもない。だからこそ、健康診断で「血圧が高めですね」と指摘されても、何ら手を打たない人が後を絶ちません。
高血圧の実態とは?
ここで衝撃的なデータを紹介しましょう。日本に推定4300万人いる高血圧患者のうち、薬物治療などによって血圧を適切にコントロールできている人は、わずか1200万人(28%)に過ぎません。
では、残る3100万人(72%)はどうなっているのでしょうか? 4300万人のうち約33%、実に1400万人もの人々が、自分が高血圧であるという認識すらないまま、無治療で放置しています。
さらに残りの人たちも、高血圧と気づいていながら治療を受けていないか、あるいは治療を受けていても血圧がきちんとコントロールできていないのです(出典:日本高血圧学会『高血圧管理・治療ガイドライン2025』)。
放置された血圧が「脳の栄養不足」を招く
自覚症状がないまま血圧が高い状態が続くと、脳の細い血管は少しずつ硬く、脆くなっていきます。すると、記憶や思考を司る脳細胞に十分な血液や栄養が届かなくなり、結果として「もの忘れ」が進行しやすくなります。
つまり、血圧を放置している72%の人々は、知らず知らずのうちに将来の認知症リスクを高めてしまっているのです。
大切な記憶を守る!
「28%の安全圏」に入るためのノウハウ
認知症の不安を減らし、脳を若々しく保つためには、血圧を「きちんとコントロールできている28%」に入ることが何よりの予防策になります。今日から以下の行動を心がけてみましょう。
●健康診断の「高め」を無視しない:「自分はまだ大丈夫」と自己判断せず、数値が高ければ一度は医療機関を受診し、医師の客観的なアドバイスを受けましょう。
●「家庭血圧」を記録する:病院では緊張して数値が上がる方もいます。朝と晩、リラックスした状態で家庭血圧を測り、ノートに記録する習慣が、ご自身の本当の血圧を知る第一歩です。
●薬は「自己判断でやめない」:治療中の方で、薬で血圧が下がったからといって勝手に飲むのをやめると、再び脳の血管に負担がかかります。必ず医師と相談しながらコントロールを続けましょう。
血圧管理は、今日からできる最も効果的な「認知症予防」の一つです。ご自身の数値としっかり向き合い、クリアで安心な毎日を守っていきましょう。
※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。









