上司の言うことを聞かない若手写真はイメージです Photo:PIXTA

「やったことがないので無理です」――悪びれず開き直る新人に、頭を抱える上司は多いはず。「Z世代は指示待ちだ」と嘆きたくなりますが、彼らが動かない本当の理由は意欲や根性の問題ではありません。実は、あなたが良かれと思って使っているマネジメントの言葉こそが、若手社員の心を完全に閉ざしている可能性があるのです。新人のやる気を一瞬で奪い去る、絶対に言ってはいけない「NGワード」の正体とは?人事・採用コンサルタントが、デジタルネイティブ世代の頭の中と、今の時代に効く「伴走型OJT」の実践法を解説します。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

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指示するだけでは
Z世代が動かない

 新人社員に仕事を依頼したときに「やったことがないので無理です」と言われたら、どう返しますか?

 また、直接「無理です」とは言わないまでも「マニュアルはありますか?」と聞いてきたり、仕事を渡してもなかなか動き出せなかったりする若手は多いかもしれません。

「最近の若い子は打たれ弱い」「指示を出しても動かない」――40〜50代のマネージャー層の間ではこうした「すぐに答えを求める若手社員」に関する悩みが尽きません。

 しかし、Z世代の若手が動かない理由は、根性がないからでも、仕事への意欲が欠如しているからでもありません。世代間の「当たり前」のズレに、本当の原因があります。

 かつて、上司と新人の間には大きな情報格差がありました。仕事のノウハウも、業界の知識も、上司や先輩が圧倒的に多くを持っていた。だから新人にも「とりあえず言われた通りやらせて、後で理由を教える」というスタイルが通用したのです。

 しかし今は違います。スマートフォンさえあれば情報を検索でき、AIが業務に関わる知識を教えてくれます。情報格差による権威づけは、とうの昔に無効になっています。

 デジタルネイティブ世代は幼いころからスマホを使い、疑問をすぐに解消できる環境で育っています。根拠や理由の説明がない作業に彼らが強い違和感を覚えるのは、若い世代特有の合理的な認知パターンなのです。

 では、こうした新人が「やったことがないので無理です」と言ってきたとき、マネージャーはどう反応すべきなのでしょうか。