また、よく耳にするシングルモルトとは、単一の蒸留所で作ったモルトウイスキーだけで構成されたものを指している。だから国内外を問わず、シングルモルトは土地の風土を感じやすく、蒸留所の風景を思い浮かべながら味わう楽しみもあるだろう。ジャパニーズウイスキーでいえば、「山崎」や「白州」、「余市」などがこれに相当する。
それに対し、モルトウイスキーとグレーンウイスキーを混ぜて仕上げたものを、ブレンデッドウイスキーと呼ぶ。個性の異なる複数のモルトウイスキーを掛け合わせ、その風味をグレーンウイスキーが引き立てる特性があり、「響」を筆頭に、「トリス」や「陸」、「角瓶」などがこれに相当する。
こうしたカテゴライズを意識しておくと、オーダーする際にも「スコッチのシングルモルトを飲んでみたいのですが」と、より具体的に要望を伝えられるようになるはずだ。
スモーキーな香りを出す
「ピート」ってなんのこと?
ところで、ウイスキーの中には煙っぽいフレーバーを利かせたものもある。スコットランドのアイラ島で生産される「ボウモア」や「ラフロイグ」あたりが有名だが、これは原料の麦芽を乾燥させる際に使われる、ピートの作用によるものだ。
ピートとは、植物が長い年月をかけて堆積した泥炭のこと。スコットランドの北部などで採掘され、15センチ堆積するのに1000年かかるとも言われる天然の貴重品だ。
ちなみに日本では北海道の道東、厚岸町付近で採掘できることが知られている。当地のウイスキー「厚岸」は、本場さながらにスモーキーなウイスキーで、いかにもツウ好み。機会があればぜひトライしてみてほしい。
ピートの利いたジャパニーズウイスキー「厚岸」。 Photo by Satoshi Tomokiyo
ウイスキーにハイソなイメージを持つ人もいるかもしれないが、こうした最低限の基礎だけ押さえておくだけで、格段に解像度は上がるはず。シングルモルトでもブレンデッドでも、あるいはジャパニーズでもアメリカンでも、視野を広げて楽しめば、きっと自分好みの1杯にたどり着けるだろう。
もともとは「命の水」を意味するラテン語が語源とされるウイスキー。発祥は12世紀のアイルランドと言われ(※諸説あり)、長い年月をかけてブラッシュアップされてきたこの酒は、まさしく自然の恵みと人の技術の結晶というに相応しい。
ぜひ日々の疲れやストレスを癒やしながら、じっくりと味わっていただきたい。







