「文学部って何の役に立つの?」学歴コンプレックスの上司と面談→きちんと説明するか、適当にかわすか究極の選択写真はイメージです Photo:PIXTA

大人の日々は「選択」の連続です。ピンチをチャンスに変えるには、どうすればいいのか。高い評価や人望や信頼をたくさん得られるのは、どっちの選択肢か。微妙な状況への立ち向かい方を通じて、より大きな幸せをつかめるトクな道を探りましょう。
※「お悩み」は編集部で作成した架空のモデルケースです。

今回の「お悩み」

 異動してきた新しい上司との1対1の面談。

 こっちの経歴を見ながら「へえ、A大学の文学部出身なんだ。前から疑問だったんだけど、文学部って何の役に立つの?」と聞いてきた。ムッとしたが、なぜ必要かを説明しようと思えばできる。

 ただ、その上司が納得する可能性は低そうだ。険悪な雰囲気になっても仕方ないので、適当にかわすという手もある。もしかしたら、上司の出身校に比べて、自分が出たA大学がいわゆる「難関校」であることも、唐突な質問の背景にあるのかもしれない。さて、どうしたものか?

選択のポイント

 上司は「痛いところを突いてやった」と得意気な気持ちでいるのかもしれません。しかし残念ながら、この質問は聞く側の見識の浅さや教養のなさを露呈してしまいます。

 そもそも1対1で面談するのは、お互いを知っていい関係を築くことが目的のはず。わざわざ失礼な質問をしてくるのは、もしかしたら根深い学歴コンプレックスに後押しされてのことかもしれません。しかし、そこは当人の問題で、こっちには関係ないことです。

 ムッとして「そんな恥ずかしい質問をしない人間になる上では、十分に役に立ちましたけどね」などとケンカ腰で返すのは、気持ちはわかりますが単純過ぎる反応です。

 静かな口調で「なぜ必要か」「自分にとってどう役に立ったか」を説明する手もありますが、たぶん相手は理解できないので「はいはい、屁理屈乙」と片付けられてしまうでしょう。

 はっきりしているのは、残念な上司に当たったということ。ただ、完全に見切りを付けるのは早すぎます。ほかの部分では尊敬できたり仲良くなれたりする要素もあるかもしれません。ま、やっぱり「この人、ダメだ」と思うことになる可能性は高いですが…。

 とりあえず「そうですねー。まあ楽しかったですけどね」ぐらいの返事でお茶を濁しておきましょう。いろんな人間がいることを受け止めつつ「適当にかわす」という懐の深い技を繰り出せるのは、文学部出身者の真骨頂と言えなくもありません。知らんけど。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール