
Mrs. GREEN APPLEの主題歌「風と町」がすがすがしい
朝ドラヒロインは元来、上坂さんのようなフレッシュな新鋭がオーディションで選ばれることが多かったが、2010年代以降、ある程度実力と認知度の高い若手がオファーで選ばれるようになり、どちらがいいか議論になっていた。それが今回はオファーとオーディションのWヒロイン。ありそうでなかった、いい落としどころである。
上坂さん演じる直美は、捨て子で牧師に育てられ、その育った環境から英語が話せる。野性的なバイタリティあふれる人物だ。
育った環境が違うりんと直美がやがてかけがえのない関係性になっていく。第1回ではふたりはまだ出会わない。りんは栃木、直美は東京で生活している。
予習はこれくらいにして、第1回の物語を見ていこう。
1882年(明治15年)。
栃木の緑あざやかな自然のなかでりんが爽やかに小唄「猫じゃ猫じゃ」を歌っている。
東京では直美がみなしごと見下され「いかにも私がみなしごだ」と開き直る強さを見せる。
そして、ふたりは期せずして、同じ頃、別の場所で、かたや子ども、かたや老人に手を差し伸べる。
どちらも人にやさしいことがわかったところで、Mrs. GREEN APPLEの「風と町」が流れる。
この曲がじつに耳心地が良い。毎朝、この曲を聞くだけで、すてきな朝になりそうな気がする。
制作統括の松園武大チーフプロデューサーは主題歌に関してこのようにコメントしている。
「明治という激動の時代に、黎明(れいめい)期の看護の世界に飛び込んだりんと直美、2人の主人公にはさまざまな困難が待ち受けています。2人が向き合い続けるのは、“命”であり、“人生”です。どんなに頑張っても報われない現実や、乗り越えることができない壁にぶつかることもあります。
そんな時にも、『風、薫る』を、主人公たちをそっと支えて寄り添ってくれる主題歌にしたいと思いました。そこで真っ先に思い浮かんだのが、Mrs. GREEN APPLE さんです。みずみずしい生命力に満ちたボーカルと演奏。傷ついた人、孤独を感じる人たちの隣にたたずみ、ふと手を重ねるような歌詞。多彩で多面的な楽曲を次々と世に送り、その根底には“命”を見つめる等身大の眼差し(まなざし)がある。
『風、薫る』が大切に描きたいテーマをお伝えし、対話を重ねる中で生み出していただいた主題歌『風と町』は、どんなに時代が移ろい変わっても、人間関係や環境が変わっていっても変わらない大切なものが感じられる楽曲です」







