ラスト5分で涙腺崩壊!朝ドラレビュアーが「上位に入る最終回」と絶賛するワケ〈ばけばけ第125回・最終回〉『ばけばけ』最終回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラ(連続テレビ小説)に関する著書を2冊上梓し、毎日レビューを続けて10年超えの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は、最終回(第125回、2026年3月27日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

フロッグコートの謎

「あの頃の私は、気付いちょりませんでした。私が。あの人を縛りつけちょるということを……」

 とトキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)の回想がはじまる。

 洋装嫌いなヘブン(トミー・バストウ)を外出時は洋装に縛り付けていたことに端を発して、トキが思い出したのは、フロッグコート。冬場の洋装おしゃれの締めはこのコート。トキはいつも「フロッグコート」「フロッグコート」としつこかった。ここで、前から視聴者が疑問に思っていたことがある。

 フロッグではなくフロックだろうと。

 その謎がここで明かされる。

 いつもいやがっていたこのフロッグコートをヘブンがある頃から嫌がらずに着るようになった。むしろ、ときには機嫌よく。

「ママさん、あれ、あれ、どこあれ」
「フロッグコートですね」

 こんなやりとりをしていたふたり。

「西洋人らしくあることを、受け入れたんだと思っちょったんですが。今思うと、縛りつけようとする私に愛想が尽きて、それで笑っちょったんです」

 と思い出してはまた反省するトキ。

 ところが聞いていた丈(杉田雷麟)は笑い出す。それはトキの勘違いだと。

 勘違いにはふたつある。

 まず、トキはフロックコートをフロッグ(蛙)コートと勘違いしていたのだ。

 丈の考察は、ヘブンはフロッグコートと間違えているトキが愛おしく、トキとのやりとりを楽しんでいた。それをトキが自分にあきれていたと勘違いした。

 誤解はすべて解けた。

 みんな大笑い。

 トキは胸のつかえが落ちたように楽になる。こういうおもしろい話ならいくらでもある。ビールを琵琶やサワ(円井わん)と間違えたこともあった。サンキューもセンキョーと言い続けていた。これまでのトキの聞き間違いは最終回の布石であったのか。