女の人生双六の上がりは
りんの父・新右衛門(北村一輝)は武士の時代が終わり農業をやっている。暮らしぶりは楽ではないが、母・美津(水野美紀)、妹の安(早坂美海)と4人で幸せな日々を送っている。
一方、直美は天涯孤独の身、マッチ工場で働き自活しているが、かなり貧しい生活を強いられている。
このように、Wヒロインによって、話や物語の舞台があっちこっちに行き来してわかりにくいのでは?と心配もあったが、その心配はなさそうだ。というのは描きたいポイントが明確だと感じるから。
テーマはおそらく女性の生き方。ふたりのタイプの違う女性を主人公にすることで、ふたつの違う可能性が提示される。従来の朝ドラだと、主人公の生き方が最適解になりがちだが、女性にだって様々な生き方がある。
それを端的に示すのが劇中の小道具「江戸娘一代双六(すごろく)」だ。りんが安と遊んでいる。
人生ゲームのようなものだろうか。江戸の娘の人生のあがりは「奥様」あるいは商家の妻「御新造さん」。
女の一生は夫次第。双六遊びしながらりんと安は「奥様来い!」なんて念じている。
双六のように人生は運次第。強運であれば早々と奥様になって上がれる(勝てる)。
興味深いのは人生ゲームは、生まれて大人になって結婚して子どもが生まれて……という、まさに人生が描かれたゲームだが、江戸娘一代双六は奥様になったら上がりであること。その先の人生いろいろはこの双六を見ると、娯楽の対象にならないようだ。
はたして、双六のような人生が本当にあがり(勝ち)なのか、それがこれから半年間、描かれるのだろう。
そして、りんに縁談の話が来る。
展開が早いなあと思ったら、朝ドラあるある子役週がないのである。朝ドラはたいてい第1、2週は主人公の子役時代が描かれて、徐々に成長していくのだが、第1週でいきなり縁談とはかなり早急だ。
ちなみに、実在の人物をモチーフにしたオリジナルで原作はないとされているが、原案はある。田中ひかるの『明治のナイチンゲール 大関和物語』だ。原案と原作の違いとは? それは明日、考えてみよう。









