何もかもがうまくいっていない。多少マシなことがあったとしても、できないことばかりが頭に浮かんでしまい、現状を変えることができない。「私の人生、このままでいいのか?」――そんなふうに人生を立ち止まりたくなった人におすすめなのが、書籍『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(池田貴将著)だ。本書は「世間から見た成功」ではなく「自分にとっての成功」を軸に、人生を心から満足のいくものにするための1冊。本書の発売を記念して、エッセイストの斉藤ナミ氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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大勢の前で話す場面。緊張で記憶が飛んだ
とあるライターのセミナーに講師として呼ばれた。
話すことが苦手なのに、誰かに必要とされるということが嬉しすぎて、うっかりOKしてしまったのだ。
セミナー当日、ガチガチに緊張して頭は真っ白。結果、盛大に滑った。
準備してきたことがぶっ飛んでパニックになってしまった。せっかく会費を払って遠くから来てくれた参加者の方々には本当に申し訳なかった。
なんとか終了の時間まで気絶せずに持ち堪えたが、自分はなんてダメなんだと、どっぷり落ち込んだ。
ショック! 私の著書が本屋に1冊も置いていない!
少し心を落ち着かせようと帰る道すがら駅の本屋に立ち寄った。
その本屋は、以前、私の著書『褒めてくれてもいいんですよ?』を置いてくれていた。
しかし、行ってみると入荷してくれていたはずの私の本が一冊もない。
店員さんに確認すると、全部出版社に返却となったそうだ。
そうか、売れなかったんだ……。
ふと私の本の置いてあった文芸の棚を見ると、知り合いのあの人の新刊が、既刊本とともにたくさん平積みにされている。足元がずううんと地底深くに沈んでいく……。
「何もかもうまくいかない状態」から抜け出すには?
ああ。もう私はダメだ。セミナーも失敗したし、本も売れていない。書かせてくれる媒体は減る一方。このところぎっくり腰がしんどくて、家事もまともにできてない。
ライターとしても、主婦としても失格。何もかもうまくいっていない。
何もかもダメだ。そう自分を全否定したくなるときにこそ、『人生アップデート大全 停滞した自分を変える66の習慣』で著者の池田貴将氏が教えてくれる言葉が必要になる。
うまくいっていることをもっと数える」
「うまくいっていることを数えると、多くのことがうまくいっていることに気づきます。
うまくいっていることを数えるのに忙しくなりましょう。」
――『人生アップデート大全』より
数えるべきは、「うまくいっていること」のほうだった。
セミナー当日は、うまく話せなかったけれど、事前の資料はいいものを作ることができた。
パニックになったけれど、なんとか最後までやり遂げた。
それに過去の私からすれば、あんなふうに舞台に立って大勢の人と話すなんてこと自体がすごい進歩だ。
「私の人生はうまくいっている」ストーリーに乗り換えよう
本書によると、人はネガティブなことを見つけると、それを反芻(はんすう)する傾向がある。
うまくいっていることがあっても「私の人生はずっとうまくいっていない」という物語を生きてしまうとのことだ。
そんな人生、嫌すぎる。
もう失敗を数えるのはやめて「私の人生はうまくいってる流れにある」という物語を生きよう。
そう決めた途端、少しだけ呼吸が深くなった気がした。
だからといって、人前で話すことがうまくなったわけではない。
けれど、「うまくいったこと」は確かにこの手に存在している。
今夜は自分への糾弾をやめて、心地よい疲れとともに眠りにつけそうだ。
(本稿は『人生アップデート大全』に関する特別投稿です)
エッセイスト
「婦人公論」「ランドリーボックス」「ねとらぼ」などのWebメディアでエッセイを執筆。noteが主催する「創作大賞2023」では幻冬舎賞を受賞。著書に『褒めてくれてもいいんですよ?』(hayaoki books)がある。










