AI利用コストはいくら? 各社員の使用量測る企業ILLUSTRATION: JEREMY LEUNG/WSJ

 人工知能(AI)自動化プラットフォームを手掛ける米Zapier(ザピアー)は、従業員のAI使用状況を追跡する新種の計測ツールを導入した。

 新たな注目指標は、どれだけのトークン(AI利用の単位)を消費しているかだ。

 生産性を大幅に向上させ、仕事の性質を変えると期待されているAIの成果物は、何もないところから生まれるように見えるかもしれない。しかし実際には、データセンターがプロンプト(指示文)を処理し、それを解釈するという、目に見えないが精密で高コストなプロセスから生み出されている。

 人がAIボットにプロンプトを入力したり、AIエージェントにコードを書かせたりするたびに、その計算資源はトークンという単位で測定される。テキストベースのAIの場合はかなりシンプルで、750語を生成するには約1000トークンが必要となる。コードを書いたり、動画や音声を作成したり、AIエージェントに数日がかりの複雑なタスクを実行させたりする場合はより複雑になるが、基本的な考え方は同じだ。作業量が多いほど、使用されるトークンも多くなる。

「新しい種類の費目が生まれた」と、ザピアーのAI変革最高責任者であるブランドン・サムット氏は話す。AIが提供する支援には――顧客サポートであれ、契約の締結であれ――コストがかかっており、企業はそれを考慮に入れる必要がある。

 トークンの価格は下がっているものの、一部の新しい人気AIモデルでは価格が高くなる可能性がある。企業の使用量も概して増加している。企業は従量課金制プランを選択することもあれば、従業員1人当たりの使用量を定めた法人向けプランを契約することもある。

 ほとんどの企業は、従業員にAIを使わせることでさえ依然苦労している。しかし、先進的な企業は既にトークン使用量を計測し、コストの集計を始めている。彼らは、大きな成果を上げたAI活用法の中でどれを拡大すべきか、また排除すべき無駄はどこにあるかを見極めようとしている。