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ご家族が亡くなられ、相続が発生した方のうち、相続税の課税対象となる方は約10人に1人と言われています。相続税には「基礎控除」という非課税枠があるため、遺産総額がその範囲内に収まれば、原則として申告の必要はありません。しかし「自分は相続税の申告が不要」と思っていても、税務署からの通知によって申告が必要であると判明するケースも。そこで、本記事では、実際に起きた相続税申告のトラブル事例を紹介します。税務署から「お尋ね」が届いたときの対処法を、いちよう相続・税務サポートの田澤広貴税理士に聞きました。(執筆/ライター 岩田いく実、監修/いちよう相続・税務サポート 田澤広貴税理士)
母の遺産は4000万円弱
税理士は「相続税の申告は必要ない」
「まさか、うちに来るとは思っていませんでした」
都内に住む田中翔子さん(仮名・62歳)は振り返ります。翔子さんの母、光代さん(仮名)は5年間にわたる胃がんの闘病の末に亡くなり、翔子さんと妹である洋子(仮名)さんの二人で、相続手続きを進めました。
光代さんの遺産は預貯金と現金、実家の土地・建物を合わせて4000万円弱。
基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)は、4200万円であり、相続税の申告は不要と思われました。念のため税理士にも相談したところ、相続税の申告は必要ないと言われたため、申告をすることなく遺産分割のみ行いました。
生前、翔子さんは光代さんの介護に従事していたのもあり、自宅の土地・建物および預貯金を相続、20代から光代さんと交流を絶っていた洋子さんは現金のみ受領しました。
母の死去から約1年後
突然、税務署から「お尋ね」が届く
光代さんの死から約1年後、翔子さんの自宅のポストに税務署から1通の封筒が届きました。何の通知かわからず、疑問に思いながら封を開けると、「相続税についてのお尋ね」と記された書類が入っていたのです。
「ひょっとして、相続税申告が必要だったのでは」と大慌てで、再び税理士に相談しました。
翔子さんから相談を受けた税理士は、洋子さんにも連絡。再度遺産について調査を進めましたが、当初から判明していた遺産以外の財産は見当たりません。
すると、洋子さんが「ひょっとして……」と口を開きました。







