そんな2025年シーズンでしたが、不振から得たものは先述したようにたくさんありました。どんな苦しい状況であっても自分に負けないという「不屈のマインド」「闘争心」を磨くことであり、巨人のエースを改めてめざすという「覚悟」です。

 26年は僕にとって巻き返しをはかる勝負のシーズンになります。課題として浮き彫りになった「投球フォーム」「ストレートの質」「変化球の精度」「動じないメンタル面」を今一度見つめ直し、好成績を挙げられるようがんばります。

 僕がケガなく「200イニング」を投げれば、個人としてもチームとしても好成績はついてくると思います。

「2ケタ勝利」であるとか、「沢村栄治賞」というのは普遍的な毎年の目標として掲げていきます。

巨人のエースナンバー
背番号18を背負いたい

 僕自身の復活がそのまま巨人のV奪回につながるという覚悟を持って臨みます。獲得したいタイトルもまだたくさんあります。僕自身、未経験の日本一をめざします。あいかわらず、いい意味で切り替えは早いです。イヤなことは寝れば忘れてしまいます。

 25年は「巨人のエース」という称号を求めながら、その重圧に負けてしまったのかもしれません。もっと強くなります。そして周囲からエースだと認められて、憧れの「巨人の背番号18」をいつかは背負いたいのです。

『覚悟』書影覚悟』(戸郷翔征、講談社)

 これまでの偉大な先輩の誰かに似せるというのではありません。僕には160キロに迫るスピードボールも、針の穴を通すような繊細なコントロールもありません。

 しかし、たとえ打たれようと、うまくいかなくても何度でも立ち上がる不屈のマインド。「大胆さと丁寧さ」と闘争心を胸に秘め、僕らしいピッチングスタイルを確立したい。「戸郷翔征のエース像」を作っていきたいと考えています。

 そのためには、取り組み方から考え方から、すべてを改めなければいけないと考えています。いままでやってきたことが間違っていたということではなく、細かい部分まですべてにおいて深く追い求めて進化させていかなければいけないと覚悟を決めました。

 いずれにせよ、僕は「新たなるスタート」を切ったのです。今後の野球人生においても苦しいことは訪れるかもしれません。しかし、そのたびに僕の復活の過程を、野球をする子供たち、高校球児たち、野球ファンの皆さんが見て応援してくれているのだと思い、これからもがんばります。