監視カメラやドローン活用で
復旧時間を約3割削減
そして、いち早く現地の状態確認を行うのがドローンだ。山手線沿線にドローンドックを10カ所程度設置、設備故障が発生した際、指令所から遠隔手動操縦で現地に飛行し、搭載カメラで設備点検を行う。橋梁など大規模施設の定期的な状態監視にドローンを使用する事業者はあるが、輸送障害時の活用は日本初という。
ドローンとドローンドック(JR東日本提供)
飛行空間が限定され、ビルなど遮蔽物が多く通信環境が厳しい都市部へのドローン導入は簡単ではないが、JR東日本は今年1月下旬、山手線新橋駅付近で飛行試験を行い、LTE(4G)通信環境下で安定飛行が可能なこと、夜間においても鮮明な映像取得が可能なことを確認している。
架線金具など小さな部品も鮮明に撮影可能で、映像は即座に関係社員のパソコンやタブレット、スマートフォンに共有できる。これによりAIやドローンが点検対象を絞り込み、限られた人員を集中的に投入する体制を目指すとしている。今後はドローンの鉄道施設への衝突や敷地外への逸脱を防ぐ安全システムの試験を行い、今年秋から試行導入予定だ。
同社のシミュレーションでは、復旧に約7時間を要したトラブルで2時間程度の短縮が期待できるなど、約30%程度の復旧時間削減が見込めるという。監視カメラ、ドローンとも山手線での試行からスタートするが、今後は他の在来線、新幹線への拡大を検討している。
鉄道業界でもようやく「未来」を感じさせる取り組みが形になってきたが、せっかくの新技術も活用できなければ意味がない。限られた人員の効率的、効果的な運用を、AIやドローンなど新技術がバックアップする形を確立できるのか。JR東日本の取り組みは人間とデジタルの役割分担に悩む鉄道業界の道しるべとなるだろう。







