高年収層の中心は
共働き世帯に
国や社会に頼るだけでは十分な生活の安心が得られにくい状況が続いています。こうした環境の変化が、家計の不安を高めていると言えます。
共働き世帯の増加は、世帯年収「1000万円以上」が増えている大きな要因です。
実際、共働き世帯は2012年以降に1000万世帯を超え、現在では全世帯の約7割が共働きです(総務省統計局「労働力調査特別調査」より)。
特に注目すべきなのは、配偶者(おもに妻)の就業形態の変化です。
現在フルタイム(週35時間以上)で働く妻の世帯数は、1985年以降400~500万世帯で横ばい。パートタイム(週35時間未満)で働く妻の世帯数は、1985年から40年の間に約200万から700万世帯へと3倍以上に増加しました。
これは、「両輪で支えなければ家計がもたない」という現実を物語っています。また、労働市場の人手不足や家庭内の役割分担の変化、そして自分の自己実現をそれぞれが考えたいという思考の変化も、この流れを後押ししています。
妻(主夫も含む。以下同)がパートで働く理由の1つには、日本特有の制度慣行が影響しています。たとえば、次のようなものです。
・所得税の「配偶者控除」「配偶者特別控除」
・社会保険制度の「第3号被保険者制度(いわゆる「主婦年金」)」
・企業の「配偶者手当」など
これらの制度のもとで、「扶養内で働くことが合理的」と考える女性は多く、就業時間を意図的に調整するケースが少なくありません。
共働き世帯のリアルな
声から見える実態
私は、東京都の「年収の壁(収入が一定額を超えると税金や社会保険料の対象になり手取りが減ってしまうボーダーラインのこと)」対策事業でセミナー講師・相談員を務めていたのですが、その活動の中で、こうした女性たちの声を直接耳にしました。
「税金や社会保険で働き損となるのであれば、扶養の範囲内で働きたい」
「手取りが減るのが怖い」
「子育てと両立できるギリギリのラインで働いている」







